“ゆうあん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
憂暗62.5%
幽暗12.5%
幽闇12.5%
憂闇12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お綱は自分のつつしみを破って、ふと弦之丞を憂暗ゆうあんにさせたことをすまなく思った。もとより、この人とお千絵様とは、切る、捨てる、ことのならない仲なのである。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
怪談を話す時には、いつもランプのしんを暗くし、幽暗ゆうあんな怪談気分にした部屋へやの中で、夫人の前に端坐たんざして耳をすました。
怨み、嘆き、悲しみ、悔い、悩み、如何にしてこの幽闇ゆうあんの力破らんと、空しくあたり見廻わせるも幾度び。……幾度我れ死せば此の苦しみあらざりしものをと思い候。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
されど若してい先んぜば、馨子の悲痛は弟にもまさりて激しかりしならんか。弟をして此の憂闇ゆうあんの力を破り得しむるものは、唯一つ馨子生きて之れが為に戦い、死に及んで止まざりし我等の理想也。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)