“くらき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
暗黒30.0%
幽暗20.0%
久良岐20.0%
久良幾10.0%
久良支10.0%
闇黒10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
暗黒くらきに住みなれたものは、暗黒くらきに物を見ると同じ事で、不自然なる境におかれたる少年は何時いつしかその暗き不自然の底にひそんで居る黒点を認めることが出来たのだろうと思います。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
そして、三回目の繰り返しの時、幽暗くらきには——の一節はほとんど聞えなかったが、次の、日午ひるには——の一節に来ると、不思議な事には、同じ音色ながらも倍音が発せられた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
人生の門戸の正面から堂々と、唯、努力と勉学に依ってのみ通るものと極めている時代の例であったから、一般人の愛や同情に媚びへつらうでもなかったのである。当時の川柳家阪井久良岐くらきの句
遠州奥山郷の久良幾くらき山には、子生嵶こうみたわと名づくる岩石の地が明光寺の後の峯にあって、天徳年間に山姥ここに住し三児を長養したと伝説せられる。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
その後奥山に山姥が久良支くらき山から出て来て、このかたわらに住んで神様のきぬを織り、それを献納していったから、この名になったのだというそうです。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
忽ち前方の闇黒くらき中に灯火が一点浮かび出た。人魂のように左右に揺れ、そのまま消えて闇となった。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)