“諂”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
へつら78.8%
おもね7.5%
へつ6.3%
べっか1.3%
おも1.3%
てん1.3%
ひつら1.3%
へつらひ1.3%
1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「お追従ついしょうは止して下さい。ひとりの姜維を得たとて、街亭の大敗はおぎなえません。いわんや失った蜀兵をや。へつらいは軍中の禁物です」
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
塩瀬、青柳、新杵の如きも徒に新菓のみを工夫して、時人の口におもねり、一般が広告で売ろうなどとはさても悪い了見を出したものだ。
残されたる江戸 (新字新仮名) / 柴田流星(著)
人は呼ばぬに来りてへつらひ、我は好まぬ夫人交際おくさまつきあい、それにも上坐を譲られて、今尾の奥様とぞ、囃し立てらるる。これがそも人生の不幸かや。
移民学園 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
モンゴリヤ人はどうかするとつけたようなおべっかを言い出す。その点においてはチベット人は最もひどい。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
「いつでも」と、いう態勢を整えたので、いよいよ許都を発しようとすると、長史董昭とうしょうおもねって彼にこうすすめた。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
およそ政治上においても、経済上においても、を呈し、てんを献じ、百怜千悧ひゃくれいせんり、みずから幇間者ほうかんしゃ流をもって任ずるの輩は、深く責むるにも足らず。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
このやうな生れながらの差別けじめが、或る時には彼の胸に加へられる抑圧となり、或る時には鳩尾の辺りを撫でさする取澄した柔媚じゅうびひつらひとなつた。彼は次第にこの待遇に慣れて行つた。
垂水 (新字旧仮名) / 神西清(著)
この時いたゞきを打ちて彼、我をかく深く沈めしものはへつらひなりき、わが舌これに飽きしことなければなり 一二四—一二六
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
首里・那覇辺から、国頭クニガミの端まで出かける家すらある。単に此だけで、醇化せられた祖先崇拝と言ふ事は出来ない。常に其背後には、墓に対する恐怖と、死霊に対するび仕への心持ちが見えてゐる。
琉球の宗教 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)