“てん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:テン
語句割合
36.5%
11.6%
8.9%
8.9%
7.8%
4.8%
4.3%
3.8%
2.3%
1.8%
1.5%
殿1.5%
1.3%
0.5%
批点0.5%
黄鼬0.5%
0.3%
0.3%
貂皮0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
最初0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
くもの うえに のると、うみへびの からだは だいじゃに ばけました。また、うみぼうずの あたまは てんまで とどきました。
うみぼうずと おひめさま (新字新仮名) / 小川未明(著)
小鳥ことりつたこともないという、ごうつくばりの因業いんごうおやじが、なぜ金魚きんぎょになつたか、そのてんにも問題もんだいがないことはない。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
天空そらには星影ほしかげてん、二てんた三てんかぜしてなみくろく、ふね秒一秒べういちべうと、阿鼻叫喚あびけうくわんひゞきせて、印度洋インドやう海底かいていしづんでくのである。
国力のある限りな豪壮の美を押して国境へ出て行くのが常であったが——信長は、てんとして、そういう方式や虚飾にかまっていなかった。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一寸法師は、王様の白てんの寝衣の肩へ飛び乗った。そして、真黒な穴へ、何か囁くのを聞いているうちに、王様の顔は、だんだん晴々として来た。
地は饒なり (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
正直しょうじきで、しんじやすいかみなりは、たかのいうことにしたがいました。そして、かみなりは、方向ほうこうてんじて、みやこほうすすんでいきました。黒雲くろくもかみなりに、したがいました。
ぴかぴかする夜 (新字新仮名) / 小川未明(著)
なあ浦和名物五家宝粔籹、結構だがちっとべえぷんと来らあな、てんでそいじゃあめりはりってものが合わねえじゃねえか。
をつとかたきおぼえたかといひさま彼の懷劍くわいけん胴腹どうばら突込つきこみしかばへい四郎はアツトこゑたて仰向のつけたふれ七てんたうなすゆゑ隣の座敷ざしきは源八歌浦うたうらなれば此聲このこゑおどろ馳來はせきたるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
殺人さつじん散財さんざいは一時の禍にして、士風の維持は万世ばんせいの要なり。これをてんしてかれを買う、その功罪相償あいつぐなうやいなや、容易に断定すべき問題にあらざるなり。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
しこうして彼が九てん十起、堅忍けんにん不抜ふばつ、いよいよ窮していよいよ画策かくさくし、いよいよつまずきていよいよ奮うに至っては、恐らくは十の松陰あるも、また及ぶ所無けん。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
よっぱらいの学生が、むかいのカフェーをでてきたと思うと、またその足で、よろよろと、こちらのきっさてんへはいっていく——というようなことがまいばんで
ラクダイ横町 (新字新仮名) / 岡本良雄(著)
だれかと思って横をみると、ご殿てん修築しゅうちくに使用する大石のたくさんつんであるあいだに、元気のない蛾次郎がじろうかおがチラと見えた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
同十九日——「天晴れ、風清く、露冷やかなり。満目黄葉の中緑樹をまじゆ。小鳥こずえてんず。一路人影なし。独り歩み黙思口吟こうぎんし、足にまかせて近郊をめぐる」
武蔵野 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
およそに対する多数というものはてんじては強いが、局部的には、まぬがれ難い弱点を持っている。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ならば手柄に批点てんでも打て。
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
兎や野猫や黄鼬てんなどが、いぶかしそうに顔を覗かせ、侍女達の方を窺った。
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
かあねえだ。もの、理合りあいを言わねえ事にゃ、ハイ気が済みましねえ。お前様も明神様お知己ちかづきなら聞かっしゃい。老耆おいぼれてんぼうじじいに、若いものの酔漢よいどれ介抱やっかいあに、出来べい。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それも可い、無い子だねなら断念あきらめべいが、提灯ちょうちん火傷やけどをするのを、何で、黙って見てござった。わしてんぼうでせえなくば、おなじ車にゆわえるちゅうて、こう、けんどんに、さかしまにゃ縛らねえだ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それは日本海大海戦ので、そのの上部に黒く片仮名で「クワウコクノコウハイコノイツセンニアリ」と書いてあり、「コノイツセン」というノの字に、赤でてんが打ってあった。
幽霊屋敷の殺人 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「分かりました。く簡単なんです、ごらんなさい、クワウコクノコウハイコノイツセンニアリという十九字の中に、ノの字に赤てんの打ってあるのがありましょう、つまり十九字の中のノのある場所に、その金が埋まってるんです」
幽霊屋敷の殺人 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
貂皮てんはなるほど高価たかかったので買わなかったけれど、そのかわりに、店じゅうで一番上等の猫の毛皮を——遠目にはてっきり貂皮てんと見まがえそうな猫の毛皮を買った。
外套 (新字新仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
時には、彼の眼の中にもかっと火が燃えたち、その脳裡に恐ろしく大胆不敵な考えが閃めいて、ほんとに貂皮てんの襟でもつけてやるかな? などとすら思うことがあった。
外套 (新字新仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
当時慶応の勢ひは実に素晴しいもので、好敵手と云へば、先づ一高に指を屈し次でアメチユアを数へる位なもの、早大などはてんで眼中に無い。随つて高を括つて直に申込を承諾した。
その男というのはその時分丁度ちょうど四十一二ぐらいで、中々なかなか元気な人だったし、つ職務柄、幽霊の話などはてんから「んの無稽ばかな」とけなした方だった
暗夜の白髪 (新字新仮名) / 沼田一雅(著)
上首の一人 ——しゅくに十の利あり、はんには三てんじきくるもの、いやしくもこの理を忘るるなかれ。
阿難と呪術師の娘 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
おまけに遣りっ放しの海上生活者が相手なんだから徴収困難は最初てんから覚悟していたが、半分以下に見て七千円の予算が、その又半分も覚束おぼつかない。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
諸友はその老かつ頽なるものにき、一えいてんを抜きてこれに代え、以て数月の風雨を支えんと欲す。これわれを視て異端怪物と為して、これを疎外する所以ゆえんなり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
しからばすなわちかの露国が虎視眈眈こしたんたんつねにその機会をまってこれを英国の手よりてんし奪わんと欲するはまたゆえなきにあらざるなり。しかしてかの露国はいかにしてこれを奪わんとするか。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
タメルランののち哈里ハリ(Hali)雄志ゆうし無し、使つかいあんに伴わしめ方物ほうぶつこうす。六年、白龍庵さいあり、程済ていせいつのく。七年、建文帝、善慶里ぜんけいりに至り、襄陽じょうように至り、てんかえる。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
すなわ徐安じょあん鐘祥しょうしょうをしててんって、懐来かいらいに走らしむ。宗忠そうちゅう懐来かいらいり 兵三万と号す。諸将之を撃つをかたんず。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
十一年てんに至りて還り、十二年易数を学びたもう。このとし永楽帝また塞外さくがいで、瓦剌オイラトを征したもう。皇太孫九龍口きゅうりゅうこうおいて危難に臨む。十三年建文帝衡山こうざんに遊ばせたもう。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
およそ政治上においても、経済上においても、を呈し、てんを献じ、百怜千悧ひゃくれいせんり、みずから幇間者ほうかんしゃ流をもって任ずるの輩は、深く責むるにも足らず。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
てんかなんかの悪戯いたずらに違いないのよ。今晩また出て来たら鉄砲をっておどかしてやりましょう。もし手答えがなかったら、それは幽霊に違いないのだから、引きあげるならそれからでも遅くないよ