てん)” の例文
新字:
『や、や、あのはたは、あのふねは。』とばかり、焦眉せうびきふわすれてをどつ、わたくしいそそのほうまなこてんぜんとしたが、ときすでおそかつた。
をつとかたきおぼえたかといひさま彼の懷劍くわいけん胴腹どうばら突込つきこみしかばへい四郎はアツトこゑたて仰向のつけたふれ七てんたうなすゆゑ隣の座敷ざしきは源八歌浦うたうらなれば此聲このこゑおどろ馳來はせきたるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ところがれは、町奉行まちぶぎやうといふおも役目やくめうけたまはつて、おほくの人々ひと/″\生殺與奪せいさつよだつけんを、ほそたなそこにぎるやうになるとたちまち一てんして、れの思想しさう
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
しかるに今日こんにち状態ぜうたい如何いかゞであるか、外語研究ぐわいごけんきう旺盛わうせいはまことに結構けつこうであるが、一てんして漫然まんぜんたる外語崇拜ぐわいごすうはいとなり、母語ぼご輕侮けいぶとなり、理由りいうなくして母語ぼご
国語尊重 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
かれ平凡へいぼん宗助そうすけ言葉ことばのなかから、一種いつしゆ異彩いさいのある過去くわこのぞやう素振そぶりせた。しかしそちらへは宗助そうすけすゝみたがらない痕迹こんせきすこしでもると、すぐはなしてんじた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
〔譯〕濁水だくすゐも亦水なり、一ちようすれば則ち清水せいすゐとなる。客氣きやくきも亦氣なり、一てんすれば則ち正氣せいきとなる。きやくふの工夫は、只是れ己に克つなり、只是れ禮にかへるなり。
勝手かつて氣焔きえんもやゝくたぶれたころで、けだ話頭わとうてんじてすこしたたゞれをいやさうといふつもりらしい。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
このさい一言いちげんして必要ひつようのあることは地震ぢしん副原因ふくげんいんといふことである。すなは地震ぢしんおこるだけの準備じゆんび出來できてゐるとき、それを活動かつどうてんぜしめる機會きかいあたへるところの誘因ゆういんである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
なんとせんみち間違まちがへたり引返ひきかへしてとまた跡戻あともどり、大路おほぢいづれば小路こうぢらせ小路こうぢぬひては大路おほぢそう幾走いくそうてん幾轉いくてんたつゆきわだちのあとながひきてめぐりいづればまた以前いぜんみちなり
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ぞくほつするところつてこれ(二五)あたへ、ぞくとするところつてこれる。まつりごとすや、わざはひつてさいはひし、やぶれをてんじてこうし、(二六)輕重けいぢうたつとび、權衡けんかうつつしめり。
ある朝——其頃私は甲の友達から乙の友達へといふ風に友達の下宿をてん々として暮してゐたのだが——友達が學校へ出てしまつたあとの空虚くうきよな空氣のなかにぼつねんと一人取殘とりのこされた。
檸檬 (旧字旧仮名) / 梶井基次郎(著)
げんに斯かる法の行はるる所にては火の付きたるホクチ樣のものをくさつつ空中くうちうに於てはげしくうごかすなり。コロボツクルも此仕方このしかたを以てえ草に火焔くわえんうつし、此火焔をば再びたきぎてんぜしならん。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
平次はてんじて娘のお勇に訊ねました。
濱島はまじまふね舷梯げんていまでいたつたときいま此方こなた振返ふりかへつて、夫人ふじんとその愛兒あいじとのかほ打眺うちながめたが、なにこゝろにかゝることのあるがごとわたくしひとみてんじて
活動中かつどうちゆうあるひ活動かつどうてんじそうな火山かざんのぼるものは、このしゆ火山特性かざんとくせい注意ちゆういする必要ひつようがある。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
とほれと脇腹わきばら愚刺ぐさと計りに差貫さしつらぬけば何ぞたまらん庄兵衞はあつと叫も口の中押へ附られ聲出ず苦き儘にもがきけるをお光は上へまたがりて思ひの儘にゑぐりければ七てんたうふるは虚空こくう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
むかしやうくわつげきして、すぐ叔母をばところ談判だんぱんける氣色けしきもなければ、今迄いままで自分じぶんたいして、世話せわにならないでもひとやうに、餘所よそ々々/\しく仕向しむけておとうと態度たいどきふ方向はうかうてんじたのを
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ぼくかしらてんじて行手ゆくてた。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
端艇たんていたちま艇頭ていとうみぎてんじて、十二の「オール」のなみおとともに、本艦ほんかんしてのやうにすゝんだ。
七ツの鐘なりと進めて出立させて置殺して取とはなにごとぞうらめしや長庵どのとひよろ/\立を蹴轉けころばし愚※々々ぐづ/\云はずとだまつてくたばれこの世のいとまとらせてやらんと又切付れば七てん八倒ばつたうくう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)