“漫然”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
まんぜん75.0%
ぶらり12.5%
うつかり6.3%
アット・ランドム6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もっとも津村の云うような「職業意識」も手伝っていたが、正直のところ、まあ漫然まんぜんたる行楽の方が主であったのである。
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
お糸さんを一足先へかえし、私一人あとから漫然ぶらりと下宿へ帰ったのは、彼此かれこれ十二時近くであったろう。もう雨戸を引寄せて、入口のおおランプも消してあった。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
そんなことを言出さうものなら、どんなにおこられるだらうと、それが見え透いてゐるから、漫然うつかりした事は言はれずさ、お前の心を察して見れば可哀かあいさうではあり
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
それさえも理解しかねるような心持で、いわば漫然アット・ランドムに、屍体の上に無意味なる視線を漂わせているのだった。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)