“うつかり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
放心22.2%
虚心22.2%
迂濶22.2%
漫然11.1%
空然11.1%
虚然11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
處へもツて來て、一日々々に嬌態しなを見せられるやうになツて行くのだから耐らぬ。周三がお房を詮議せんぎする眼は一日々々にゆるくなツた。そして放心うつかり其の事を忘れて了ツた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
お米の方はさすがにこの娘の性質で、同じ面白相に聽いては居たやうだが、相變らず默然とした沈んだ風で、見やうによつては虚心うつかりしてゐるものゝやうにも見ゆる。
姉妹 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
今は成り果てて仕舞ひました、何だだと取られるものは多くなる、れる作物ものに変りは無い、其れで山へも入ることがならねい、草も迂濶うつかりることがならねい、小児こどもは学校へらにやならねい
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
そんなことを言出さうものなら、どんなにおこられるだらうと、それが見え透いてゐるから、漫然うつかりした事は言はれずさ、お前の心を察して見れば可哀かあいさうではあり
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ならてる内にアノ山口巴から來る若旦那かへと小夜衣は空然うつかり長庵の口にのせられさればなりその三河町の若旦那はとんいたちみち
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
お米は妹の泣きくづれて居る側に坐つてゐて、別に深く感動したさまも無く、虚然うつかりと、否寧ろ冷然としてそのうしろ髮の邊を見下してゐる。
姉妹 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)