虚心うつかり)” の例文
細君といふのは三十五六歳の顏容子かほかたちも先づ人並の方であらうが、至つて表情に乏しい、乏しいといふより殆んどぜろに近いほど虚心うつかりした風をして居るのである。
一家 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
お米の方はさすがにこの娘の性質で、同じ面白相に聽いては居たやうだが、相變らず默然とした沈んだ風で、見やうによつては虚心うつかりしてゐるものゝやうにも見ゆる。
姉妹 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
萬事母親讓りに出來て居る姉娘の虚心うつかりしたのは虚心うつかりしたままにねぢけて行き
一家 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)