姉妹しまい
山には別しても秋の來るのが早い。もう八月の暮がたからは、夏の名殘の露草に混つて薄だとか女郎花だとかいふ草花が白々した露の中に匂ひそめた。大氣は澄んで、蒼い空を限つて立ち並んで居る峯々の頂上などまでどつしりと重みついて來たやうに見ゆる。漸々紅 …
作品に特徴的な語句
生長おほき もの 蹌踉よろぼ 水洟みづばな きは ひど かげ 吾等わたしら ことさ やが 眞實ほんとう あら かつ はず あたし 築地ついぢ つひ あん 全然すつかり しき 周章うろた あなが 從順おとなし あさ 斜向はすか 斷念あきらめ 死屍しがい あて 瞭然はつきり 老爺おやぢ 蒸汽じようき 蒼穹あをぞら 虚心うつかり 蜿蜓うねり 遠慮えんりよ 五躰からだ 代理かはり 仰山ぎやうさん 先日こなひだ 前栽ぜんさい けん 因業いんごふ くづ 夜間よる やす 屹度きつと 息急いきせき 惡感をかん 慰藉ゐしや 戲談じやうだん つか 時期とき 疲勞つかれ 眼前めさき 處女むすめ 衰頽すゐたい いな 鑵子くわんす 音無おとな 餌食ゑじき 不圖ふと なが 他手ひとで 低聲こごゑ 何故なぜ 便所はばかり 俯頭うつむ 勿論もちろん ああ 四邊あたり らち 嬌態しな 孱弱かよわ 宛然さながら 峽間はざま 彼家あすこ こた 斷念あきら 會釋ゑしやく 本村ほんむら 流石さすが 滋々じじ まど