“周章”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
あわ60.3%
あわて23.7%
うろた5.3%
あわただ2.0%
しゅうしょう1.7%
あたふた0.7%
あわたゞ0.7%
うろたえ0.7%
どぎまぎ0.7%
まごつ0.7%
(他:11)3.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“周章”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語6.8%
文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行1.8%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)1.3%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
チャンチャンチャンチャンと金具を響かせ二三十騎の騎馬武者がどうやらこっちへ来るらしい。にわかに老人は周章あわて出した。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
と言ったら、周章あわててしまいこんでしまったけれど……寛子は思い出したように急に立ちあがると、泥いじりしている啓吉へ、
泣虫小僧 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
周章あわてて顔を上げた彼の眼の下で、葉子は、悪い夢でも見たのか、咽喉を鳴らすと、寝返りを打って、向うを向いて仕舞った。
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
乙女は淑やかに腰をかがめると静かに店から戸外そとへ出たが、黄昏たそがれの往来を海の方へ急かず周章あわてず歩いて行く。
郷介法師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「それは、そうだ。……しかし、いずれこうなることはわかっていたのだから、覚悟はあったはずだ。なんで、そんなに周章うろたえる」
折惡しくすつかり冷え切つてゐますので沸かして持つて參ります、と宿の主婦おかみ周章うろたへて炭を火鉢につぐ。
一家 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
坂口は霎時の間、闇の中に棒立になっていたが、次の瞬間に伯父は、北に向って走っている小径を、周章あわただしく歩去った。
P丘の殺人事件 (新字新仮名) / 松本泰(著)
最所治部の龍の口城へ、ある日一人の若侍が、父だと云う老人を連れて、さも周章あわただしく駈け込んで来た。手足から鮮血なまちを流している。
郷介法師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
するとさすがに大井の顔にも、またた周章しゅうしょうしたらしい気色けしきが漲った。けれども口調くちょうだけは相不変あいかわらず傲然と、
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ついそういいかけて多計代は周章しゅうしょうした。大学にある越智の研究室へ行くことを、多計代はこれまで保からもかくしていたのだった。伸子からはもとより。——そういういきさつに拘泥せず、
二つの庭 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
『モウらん。』と凄じく怒鳴るや否や、周章あたふた下駄を突懸けて、疾風の様に飛出したが、小路の入口でイヤと云ふ程電信柱に額を打付ぶつつけた。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『モウらん。』と凄じく怒鳴るや否や、周章あたふた下駄を突懸つゝかけて、疾風の樣に飛出したが、小路の入口でイヤと云ふ程電信柱に額を打附ぶつつけた。
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
亭主であらう、五十ばかりの男、周章あわたゞしさうに草履を突掛け乍ら、提灯ちやうちん携げて出て行かうとするのであつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
と瑞木が泣声で云つて居る。鏡子は周章あわたゞしい世界へ帰つて来たと夢から醒めた時のやうな息をして子供達を見て居た。
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
今年の桃の頃、初雷が鳴ったとき日本橋の寮で、雷嫌いのわたくしは座敷の中を周章うろたえて廻りました。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「チョチョチョッと待て……周章うろたえるな。そこでタッタ一つ解らん事がある」
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
『頭痛が癒りましたか?』と竹山に云はれた時、その事はモウ全然忘れて居たので、少なからず周章どぎまぎしたが、それでも流石、
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『頭痛が癒りましたか?』と竹山に云はれた時、その事はモウ全然すつかり忘れて居たので、少なからず周章どぎまぎしたが、それでも流石、
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『ハ!……えゝと……えゝと、』と、校長は周章まごついて了つて、無理に思ひ出すといふ樣に眉をあつめた。
足跡 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
これも今來た許りと見える女教師の並木孝子は、一人で其人數を引受けて少し周章まごついたといふふうで、腰も掛けずに何やら急がしく卓の上で帳簿を繰つてゐた。
足跡 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
といいつつソソクサして、「こうしちゃおられん。これからた社へ行く、」と茶も飲まないで直ぐ飛出し、「大勝利だ、今度こそロスの息の根を留めた、下戸げこもシャンパンを祝うべしだネ!」と周章あたふた格子をけて、待たせて置いた車に飛乗りざま、「急げ、急げ!」
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
てよ、いまこのちいさいうをを、周章あはてゝたいらげたとてなにになる
『に、にがしては。』とわたくし周章あはてゝ、そのうへまろびかゝつた。
三人の山賊は周章あわただしく張りボテを頭に冠ったが、そのままあたかも消えるように、室から外へ出て行った。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
のみならず、何故か周章あわてふためいて復誦したが、かえってそれが、真斎を蒼白なものにしてしまった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
無造作むぞうさに突っ立った、相手の体構えに、不思議な、圧力がみなぎっていたのだ。何十何百の、捕り方に囲まれても、一度も周章うろたえたことのないような、不敵者の彼だった。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
私は、この出現によつて、周章うろたへ理由わけを持つてゐた。
横着者わうちやくものだなとは思つたが、役馴やくなれた堀は、公儀こうぎのお役に立つ返忠かへりちゆうのものを周章しうしやうの間にも非難しようとはしない。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
見物席のそこらここらから笑い私語ささめく声が聞えたが、有繋さすがは紅葉である、少しも周章とっちらないで舞台へ来ると、グルリと後ろ向きになって悠然ゆうぜんとして紺足袋を脱いだ。
意表の悪戯に、代議士が度肝を抜かれて周章ふためいている隙に、ルパンは素早く帽子を鷲攫みにしてプイと室外へ抜けた。
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)
上つたはいが、何処に坐れば可いのか一寸周章まごついて了つて、二人は暫し其所に立つてゐた。源助は、
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)