“うろたえ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
狼狽88.9%
周章11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ゆかぐるみに蹴落けおとさぬかいやい。(狼狽うろたえて叫ぶ。人々床几とともに、お沢を押落おしおとし、取包んで蝋燭の火を一度に消す。)
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「それは……」と青年は吃驚びっくりするほど態度や声を狼狽うろたえさせたが「どうも此処では申し上げられませんので……」
温室の恋 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
今年の桃の頃、初雷が鳴ったとき日本橋の寮で、雷嫌いのわたくしは座敷の中を周章うろたえて廻りました。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「チョチョチョッと待て……周章うろたえるな。そこでタッタ一つ解らん事がある」
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
すると彼は周章うろたえまして、今更粗相をして手も付けようがない失火といったようにわたくしの身のまわりをこま鼠のように廻っていましたが、やがてわたくしが鳴りを静めると
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)