“ふた”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:フタ
語句割合
71.3%
15.4%
5.1%
3.0%
2.0%
0.8%
0.5%
0.3%
0.2%
0.2%
0.2%
0.1%
不為0.1%
周章0.1%
0.1%
0.1%
狼狽0.1%
0.1%
覆布0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
秋山は御用箱のふたをあけて、ひと束の書類を取出した。彼は吟味与力の一人であるから、自分の係りの裁判が十数件も畳まっている。
真鬼偽鬼 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「食えない者は、誰でもおれにいてな。晩には十銭銀貨わんだらふたツと白銅の五銭玉一ツ、みんなのポケットに悪くねえ音をさせてやるぜ」
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
従ってふたつの概念の間には非常に大きな差異があることを理解するにしても、しかし実体という点においては両者は一致すると思われる。
すると、この石鹸に面白いところは、塩水に溶解するから奇体ですよとの追加があったので、急に貰って行く気になってふたをした。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ぢゃによって、こひかみ御輦みくるま翼輕はねがるはとき、かぜのやうにはやいキューピッドにもふたつのはねがある。あれ、もう太陽たいやうは、今日けふ旅路たびぢたうげまでもとゞいてゐる。
折しもたれならん、階子はしご昇来のぼりくる音す。貫一は凝然として目をふたぎゐたり。紙門ふすまけて入来いりきたれるはあるじの妻なり。貫一のあわてて起上るを、そのままにと制して、机のかたはらに坐りつ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
同志一 (ストウブのふたをあけて黄成鎬へ)おやじ! 火を入れろ。
こたゆべしと申さるれども長庵は空嘯そらうそぶき一旦御吟味濟に相成たる事件ことがら再應さいおうの御調べなほしは何とやらん御奉行所の御裁許はふたあるやうに存じ奉つると公儀こうぎの裁判所を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
その拡ごりの隙より、今や見る土量の幅は天幅をふたぎて蒼穹は僅かに土量の両ひれに於てのみ覗くを許している土の巨台に逢着した。翁はあきれた。これが普通いう山の麓であることか、おおらおおら。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
同人妻せん何樣成儀申上奉りしやふたたび御手數おんてかず相掛候段不屆ふとゞき者なりと申けるに越前守殿成程なるほど其方の申所道理もつともの樣には聞えしが其方も榊原の家來けらいにて某が役儀にもじゆんする事故決斷けつだん如才じよさいはあるまじきも人命の重きはかね承知しようちで有らう罪のうたがはしきは之を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ひとつの枝にふたつの蝶
北村透谷詩集 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
哀公、問う、弟子たれか学を好むと為す。孔子こたえて曰く、顔回というひとありき、学を好み怒りをうつさず過ちをふたたびせざりしが、不幸短命にして死せり。今は則ち学を好むものを聞かざるなり。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
哀公、問う、弟子たれか学を好むと為す。孔子こたえて曰く、顔回というひとありき、学を好み、怒りをうつさず、過ちをふたたびせざりしが、不幸短命にして死せり、今は則ち学を好むものを聞かざるなり。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
大切な密書を彼女のなすがまゝに任せて只管ひたすら恐懼きょうくしているようなのは、どう考えても不為ふためをはかる者の態度ではない。
意表の悪戯に、代議士が度肝を抜かれて周章ふためいている隙に、ルパンは素早く帽子を鷲攫みにしてプイと室外へ抜けた。
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)
そぎやんやあとつたてちや、どぎやんもなりやせんとだるけん、これからのこつば考へて、気ばふたうもつこツたい、ムツシユウのことなんぞ、早う忘れてしまうた方が悧巧もんばい。
牛山ホテル(五場) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
天帝釈化して猴となり身に疥癬を病めり、来り進んで猴衆に石を負わせ、海をふたがしめ衆わたるを得とあり。『宝物集』にも似た事を記す。
余はあわて狼狽ふためき、ふるう手に側の燈油を注ぎ入れて、辛くも火を消さずに済みたり、この火消えなば、余は実に暗中に煩悶して、暗中に死すべかりしなり。
南極の怪事 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
老婦人が去った後、ひさごかきでかこってふたをかぶせて置くと、虫は俄かに変じて犬となった。犬の毛皮には五色ごしきあやがあるので、これを宮中に養うこととし、瓠と盤とにちなんで盤瓠ばんこと名づけていた。
大きな四角いカフスとポケットに大きな覆布ふたのついている、かなり著古してはあるが、極めてよく手入れのしてある茶色の服に正装して、朝食をとりに行く時には、別の給仕と、二人の荷持と