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双
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ふた
ふりがな文庫
“
双
(
ふた
)” の例文
旧字:
雙
うれしいっ、と叫んだのも、その面も、
双
(
ふた
)
つの袖でつつんでしまった。そして、高氏の胸へ、仆れかかるように寄って来た。
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ぢゃによって、
戀
(
こひ
)
の
神
(
かみ
)
の
御輦
(
みくるま
)
は
翼輕
(
はねがる
)
の
鳩
(
はと
)
が
牽
(
ひ
)
き、
風
(
かぜ
)
のやうに
速
(
はや
)
いキューピッドにも
双
(
ふた
)
つの
翼
(
はね
)
がある。あれ、もう
太陽
(
たいやう
)
は、
今日
(
けふ
)
の
旅路
(
たびぢ
)
の
峠
(
たうげ
)
までも
達
(
とゞ
)
いてゐる。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
お
双
(
ふた
)
かたのどちらの御機嫌にも逆らわずに済まされるような道はとうてい見つかりません。
エリザベスとエセックス
(新字新仮名)
/
リットン・ストレイチー
(著)
恐怖のために顔はひき
歪
(
ゆが
)
み、
双
(
ふた
)
つの眼はとび出すかと疑えるほど大きく
瞠
(
みひら
)
かれていた、その眼で靱負をひたと
覓
(
みつ
)
めながら、おかやは「ああ、ああ」と意味をなさぬ声をあげ、激しく
身悶
(
みもだ
)
えをした。
日本婦道記:二十三年
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
山の餌を
猟
(
と
)
って、山の獣達と一緒に何んの苦労もなく生い立ったのですが、髪の毛が
房々
(
ふさふさ
)
と延び、
双
(
ふた
)
つの乳房が、こんもり
盛上
(
もりあが
)
って、四肢に美しい皮下脂肪が乗り始める頃から、身を切られるような
裸身の女仙
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
紙のごとひらひらとこそありにけれ蝶の
双
(
ふた
)
つぞ照り
合
(
あ
)
へりける
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
対照的な
双
(
ふた
)
つの高峰を築くものだと考えます。
あゝ二十年:やっと御下命画を完成した私のよろこび
(新字新仮名)
/
上村松園
(著)
双
(
ふた
)
親うめる兄弟の中に最も我
愛
(
め
)
でき
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
御堂へ向って
前栽
(
せんざい
)
の両側に、これから、城主と親鸞とが手ずから
鍬
(
くわ
)
を持って、
双
(
ふた
)
つの樹を植える式があるというので——。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
紙のごとひらひらとこそありにけれ蝶の
双
(
ふた
)
つぞ照り
合
(
あ
)
へりける
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
と、見れば、それは
七日
(
なのか
)
も前に降った春の雪が、思いがけなく、
双
(
ふた
)
つの
掌
(
てのひら
)
に乗るほど、日蔭に残っているのだった。
死んだ千鳥
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『貝賀。こうして歩いてみると、人間の心というものは、実におもしろいな。……裏と表、
双
(
ふた
)
つ鏡で見るようだ』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この熱烈な雰囲気からはすぐ看破されてしまって、
双
(
ふた
)
つの派の何っ方からも、当然に無視されてしまっている。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
云いかけて、声はおろおろ
双
(
ふた
)
つの
袂
(
たもと
)
につつまれてしまった。しのび泣きして、背を向けているのである。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
強右衛門は、身を
擡
(
もた
)
げて、桑の葉のうえに半身をぬっと見せた。星空を
衝
(
つ
)
くように、
双
(
ふた
)
つの手を挙げて
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
だが、武蔵の眼、権之助の眼、そう
双
(
ふた
)
つのものは、もうそれくらいな制止では、針程も動かなかった。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この暗所に
棲
(
す
)
みなれている世阿弥の眸は、自然生理的に、闇の中でも見とおしが
利
(
き
)
く筈だが、お十夜には、皆目、
対手
(
あいて
)
の見当がつかない。ただ、
爛
(
らん
)
と射る
双
(
ふた
)
つの眼を感じるばかりだ。
鳴門秘帖:05 剣山の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
突然、花世は
双
(
ふた
)
つの袖を手に
拯
(
すく
)
って、わっと、そこへ泣き伏してしまった。郁次郎の蒼ざめた唇は、口いっぱいに血を含んでいるかのように、固く閉じ切ッたまま、けいれんしていた。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
とたんに、
双
(
ふた
)
つの眼を、くわッと開いて、舟のなかの三名を睨みつけたので
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
双
(
ふた
)
つの袂を手に持って、粂はほろほろと白い頬に涙のすじを描いていた。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
跳び
退
(
の
)
きながら、天蓋の人影は、彼に向って、白い
双
(
ふた
)
つの手を合せた。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
自然に
双
(
ふた
)
つの
掌
(
て
)
が合わさったのであった。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
双
常用漢字
中学
部首:⼜
4画
“双”を含む語句
双手
双眸
双方
双眼鏡
無双
双肩
双腕
一双
双頬
大力無双
双生
双刀
草双紙
双子
双親
双璧
双子縞
双幅
沙羅双樹
双葉
...