“双眸”のいろいろな読み方と例文
旧字:雙眸
読み方割合
そうぼう88.9%
さうばう2.2%
さうぼう2.2%
さふぼう2.2%
ひとみ2.2%
まなざし2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
磨きあげたような小麦色の肌、切れ長の澄みとおった双眸そうぼうつやつやと余るような髪を武家風に結った、二十ばかりの美しい女である。
明暗嫁問答 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
篠田の双眸さうばう不図ふと円山まるやまの高塔に注がれて離れざるなり、静穏なるかな、芝のもりよ、幽雅なるかな、円山の塔よ、去れど其の直下、得も寝で悲み、夜を徹して祈れるもの一人あり、美しき雪よ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
自分はバイロンのてつを踏んで、筆を剣に代へるのだ、などと論じた事や、その後、或るうら若き美しい人の、潤める星の様な双眸さうぼうの底に、初めて人生の曙の光が動いて居ると気が付いてから
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
高朗の気ほねとほり清幽の情肉に浸むあしたの趣こそ比ぶるに物なけれ、今しもあふいで彼の天成の大画たいぐわ双眸さふぼうを放ち、して此の自然の妙詩に隻耳せきじを傾け、をくぐり芝生を辿たど
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
父と兄とが口早に話している隣の部屋から、娘の宇女うめが間のふすまを開けて現れた……面長のおっとりとした顔だちであるが、今は色もあおざめ、双眸ひとみにも落着かぬ光があった。
三十二刻 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
……其時は自分はバイロンのてつを踏んで、筆を劍に代へるのだ、などと論じた事や、その後、或るうら若き美しい人の、うるめる星の樣な双眸まなざしの底に
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)