“鰭”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひれ92.4%
はた3.8%
ハタ1.5%
うろこ0.8%
えら0.8%
びれ0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「来てよ、鯨狼がとび出ちゃったよオ」と、おのぶサンがあわててどなる間に、ひれでヨチヨチとゆきながら大分な距離になっている。
人外魔境:08 遊魂境 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
かれ火照ほでりの命は、海佐知うみさち毘古として、はたの廣物鰭の物を取り、火遠理ほをりの命は山佐知やまさち毘古として、毛のあら物毛のにこを取りたまひき。
ハタ広物ヒロモノハタ狭物サモノ・沖の藻葉・の藻葉、尽しても尽きぬわたつみの国は、常世と言ふにふさはしい富みの国土である。
妣が国へ・常世へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
鮎をけてゐるのであらう、編笠を冠つた背の高い男が、腰まで水につかつて頻りに竿を動かしてゐる。種鮎たねあゆか、それともかかつたのか、ヒラリと銀色のうろこが波間に躍つた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
背及び腹にえらのようなものが附いている。魚の形と見られぬこともないが、より多く涙が結晶した形と見る方が生きて眼に映る石の形であった。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
したがって、全体の形が、何かのかんむりか、片輪びれみたいに思われるのである。
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)