“背鰭”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せびれ75.0%
せひれ25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
胴腹に合衆国の略語をつけた大きなサモンが、背鰭せびれをそよがせながら河の浅瀬をのぼってゆくのを見ると、おや、狐にでもつままれたかと、誰しも一応はびっくりするのである。
南部の鼻曲り (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
岩がちの海岸からところどころに魚の背鰭せびれのやうにぎざぎざな岩礁が沖のはうまでつきでて、道を堰かれた波が海坊主の頭みたいに円くもりあがつてはさつと砕けてしぶきを飛ばす。
銀の匙 (新字旧仮名) / 中勘助(著)
妖婦の様に隈取った、大きな目、突き出た脣、そして、背鰭せひれの一本が、戦国時代の武将のかぶとの飾り物に似て、目覚ましく伸びているのです。
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)