“背嚢”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はいのう77.8%
はいなう8.9%
ルツクサツク4.4%
ルックザック2.2%
ナップサック2.2%
ナップザック2.2%
ルックサック2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
電光がすばやく射し込んで、ゆかにおろされてかにのかたちになっている自分の背嚢はいのうをくっきりらしまっ黒なかげさえ おとして行きました。
ガドルフの百合 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
眞中まんなか卓子テエブルかこんで、入亂いりみだれつゝ椅子いすけて、背嚢はいなうかず、じうひきつけたまゝ、大皿おほざらよそつた、握飯にぎりめし赤飯せきはん煮染にしめをてん/″\につてます。
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ある時には、途中で行過ゆきすがつた背嚢ルツクサツクを負うた一人の老翁がまた戻つて来て、私を呼止めて見舞の言葉を云つて呉れたりした。
日本大地震 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
背嚢ルックザックから乾麺麭かんパンの包みを取りだすと、てのひらの中でこなごなにくだき、たいへん熟練したやりかたでつばといっしょに飲みにしてしまう。
キャラコさん:04 女の手 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
あの不幸な朝、同行者の一人とともに、経緯儀セオドライトや測距計などの重要な計器を納めてあった背嚢ナップサックを、酷薄な谷が呑み込んでしまった。もちろん、だれの過失でもない。
地底獣国 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
長い惨苦の流刑のために、みじめに削りとられた鉛色の肉体のうえに、直接に山のような背嚢ナップザックを背負い、シャツはひろげて、南洋の土人のように、腰へ巻きつけていた。
地底獣国 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
僕はひとり麺麭を食っていると、背嚢ルックサックを棚へあげて僕のまえに腰かけた男が僕に話しかけた。僕は麺麭を食うことをやめて暫く応対していた。
ドナウ源流行 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)