“尾鰭”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おひれ81.3%
をひれ10.4%
おびれ7.3%
ひれ1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「片言もってごくさだむべきものは、それゆうか」などという孔子の推奨すいしょうの辞までが、大袈裟おおげさ尾鰭おひれをつけてあまねく知れわたっていたのである。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
うむを見て男魚をなおのれ白䱊しらこ弾着ひりつけすぐ女魚めな男魚をなほりのけたる沙石しやせきを左右より尾鰭をひれにてすくひかけてうづむ。一つぶながさるゝ事をせず。
「あッ! いけない。海馬や鯨だったら、こうしてはいられない。いまに尾鰭おびれで一つあおられると、参ってしまう。こいつは剣呑けんのん剣呑……」
怪奇人造島 (新字新仮名) / 寺島柾史(著)
と云うのは、もはや贅言を費やすまでもなく、それは、はっきりとあの魔の衣裳——いつぞや儀右衛門に示されたところの、人魚の尾鰭ひれ形をした、図紋だったのである。
人魚謎お岩殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)