“尾久”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おぐ63.6%
おく18.2%
をぐ18.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その夜、小林の死体をのせた自動車は、それらの土地のうちで代々木からは最も遠い尾久おぐのあき地に到着し、ヘッドライトを消して停車した。
影男 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
それは尾久おくわたしあたりでもあったろうか、のんどりした暗碧あんぺきなその水のおもにはまだ真珠色の空の光がほのかに差していて、静かにいでゆくさびしい舟の影が一つ二つみえた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
私はあまり知人たちを見かけない千住せんじゆや三河島、あるひは尾久をぐから板橋にかけて、都会の汚れた裾廻しを別に要事もなく仔細ありげに歩き廻つてゐた。
大凶の籤 (新字旧仮名) / 武田麟太郎(著)