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尾鰭
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をひれ
ふりがな文庫
“
尾鰭
(
をひれ
)” の例文
うむを見て
男魚
(
をな
)
己
(
おのれ
)
が
白䱊
(
しらこ
)
を
弾着
(
ひりつけ
)
、
直
(
すぐ
)
に
女魚
(
めな
)
男魚
(
をな
)
掘
(
ほり
)
のけたる
沙石
(
しやせき
)
を左右より
尾鰭
(
をひれ
)
にてすくひかけて
鮞
(
こ
)
を
埋
(
うづ
)
む。一
粒
(
つぶ
)
も
流
(
なが
)
さるゝ事をせず。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
尾鰭
(
をひれ
)
を付けて人は物を言ふのが常、まして種牛の為に傷けられたといふ事実は、
些少
(
すくな
)
からず
好奇
(
ものずき
)
な手合の心を驚かして、
到
(
いた
)
る処に茶話の種となる。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
實はかう/\と
尾鰭
(
をひれ
)
を附けて報告すると、同役笹野新三郎の若さと人氣を苦々しがつてゐる堀江又五郎は
銭形平次捕物控:135 火の呪ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
半纏着
(
はんてんぎ
)
は、
水
(
みづ
)
の
淺
(
あさ
)
い
石
(
いし
)
を
起
(
おこ
)
して、
山笹
(
やまざさ
)
をひつたり
挾
(
はさ
)
んで、
細流
(
さいりう
)
に
岩魚
(
いはな
)
を
預
(
あづ
)
けた。
溌剌
(
はつらつ
)
と
言
(
い
)
ふのは
此
(
これ
)
であらう。
水
(
みづ
)
は
尾鰭
(
をひれ
)
を
泳
(
およ
)
がせて
岩
(
いは
)
に
走
(
はし
)
る。そのまゝ、すぼりと
裸體
(
はだか
)
に
成
(
な
)
つた。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
実は当時のゴシツプ好きの連中が
尾鰭
(
をひれ
)
をつけていろいろ面白さうに
喧伝
(
けんでん
)
したのが因であつて、本人はむしろ無口な、非社交的な非論理的な、
一途
(
いちず
)
な性格で押し通してゐたらしかつた。
智恵子抄
(新字旧仮名)
/
高村光太郎
(著)
▼ もっと見る
父母が梅子に対する悪感情を、
傲
(
ほこ
)
りがに伝達しつ、又た姉の悲哀の容態をば
尾鰭
(
をひれ
)
を付けて父母に披露す、芳子は
流石
(
さすが
)
にお
加女
(
かめ
)
夫人の愛児なり、梅子の
苦悶
(
くもん
)
を見て自ら喜び、姉を
讒訴
(
ざんそ
)
して
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
千べん万べん命のかぎり玻璃鉢の金魚はあはれ
尾鰭
(
をひれ
)
うごかす
小熊秀雄全集-01:短歌集
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
産終
(
うみをは
)
るまでの
困苦
(
こんく
)
のために
尾鰭
(
をひれ
)
を
損
(
そこな
)
ひ
身
(
み
)
痩
(
やせ
)
労
(
つか
)
れ、ながれにしたがひてくだり
深淵
(
ふかきふち
)
ある所にいたればこゝに
沈
(
しづ
)
み
居
(
ゐ
)
て
労
(
つかれ
)
を
養
(
やしな
)
ひ、もとのごとく
肥太
(
こえふと
)
りて
再
(
ふたゝ
)
び
流
(
ながれ
)
に
泝
(
さかのぼ
)
る。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
萬兩
分限
(
ぶげん
)
の地主の子に生れた駒次郎は、この春伊丹屋の主人になつて、
尤
(
もつと
)
もらしい
尾鰭
(
をひれ
)
を加へたにしても、平次の眼にはまだ道樂者の若旦那でしかなかつたのです。
銭形平次捕物控:097 許婚の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
其
(
その
)
足
(
あし
)
の
恰好
(
かくかう
)
の
悪
(
わる
)
さといつたらない。うつくしい、
金魚
(
きんぎよ
)
の
泳
(
およ
)
いでる
尾鰭
(
をひれ
)
の
姿
(
すがた
)
や、ぴら/\と
水銀色
(
すゐぎんいろ
)
を
輝
(
かゞや
)
かして
刎
(
は
)
ねてあがる
鮎
(
あゆ
)
なんぞの
立派
(
りつぱ
)
さには
全然
(
まるで
)
くらべものになるのぢやあない。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
『
御緩
(
ごゆつく
)
り
様
(
さま
)
で、』と
左側
(
ひだりがは
)
の、
畳
(
たゝみ
)
五十畳
(
ごじふでふ
)
計
(
ばか
)
りの、だゞつ
広
(
ぴろ
)
い
帳場
(
ちやうば
)
、……
真中
(
まんなか
)
に
大
(
おほき
)
な
炉
(
ろ
)
を
切
(
き
)
つた、
其
(
そ
)
の
自在留
(
じざいとめ
)
の、ト
尾鰭
(
をひれ
)
を
刎
(
は
)
ねた
鯉
(
こひ
)
の
蔭
(
かげ
)
から、でつぷり
肥
(
ふと
)
つた
赤
(
あか
)
ら
顔
(
がほ
)
を
出
(
だ
)
して
亭主
(
ていしゆ
)
が
言
(
い
)
ふ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“尾鰭(鰭(魚類))”の解説
鰭(ひれ 英:fin)とは、一般的に魚類を最も区別しやすい解剖学的特徴の一つである。体から突き出た複数の鰭棘や鰭条で構成され、皮膚がそれらを覆うと共に一体結合しており、大半の硬骨魚綱に見られるものでは水かきがあったり、サメ等に見られるものでは鰭脚のついた形状である。尾鰭を除いて魚類の鰭は背骨と直接つながっておらず、棘でつながり筋肉のみで支えられている。主な機能は魚が泳ぐ際の補助である。
(出典:Wikipedia)
尾
常用漢字
中学
部首:⼫
7画
鰭
漢検準1級
部首:⿂
21画
“尾”で始まる語句
尾
尾行
尾籠
尾羽
尾張
尾上
尾花
尾張町
尾州
尾久