“労”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方(ふりがな)割合
つか30.7%
いたわ26.1%
いた21.2%
ろう4.5%
ねぎら4.2%
いたは3.4%
ねぎ1.5%
つかれ1.1%
らう1.1%
づか0.8%
(他:14)5.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“労”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸17.7%
文学 > 日本文学 > 小説 物語4.3%
文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行2.3%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
彼は息がよくつづきつかれることを知らず、ずっと遠くまで泳いで往ったにもかかわらず、そのままもぐってしまうことがある。
此時にいたりて焼飯を売たる農夫のうふはらへりつかれ、商人は焼飯にはらみち足をすゝめてゆく
そして、正勝の姿が物陰に消えてから、紀久子は急所の重苦しい痛みに悩んでいる敬二郎を静かに部屋の中へいたわり入れた。
恐怖城 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
駈け寄って来た人々が、ほっと、安堵あんどのいろを浮かべ、そして左右からいたわりぬくのを、ばばは殆どよろこぶ様子もなく、
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その肩口を、レヴェズはいたわるように抱きかかえて、あたかも秘密の深さを知らぬ者を嘲笑するような眼差を、法水に向けた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
古田織部は、つくづくと見入つてゐた眼を、木の枝から果物をもぐ折のやうに、いたはりながらそつと茶入からひき離しました。
小壺狩 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
懇切こんせつに使いの人のろう感謝かんしゃしたうえに、こまごまと死者のうえについての話を聞こうとする。
告げ人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
且つまた、本当の安楽は、世の見て以ていつとするところに存在せずして、見て以てろうとするところに存在するのではございますまいか。
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「おう、郵どん、御苦労だな」長造が、古い馴染なじみの集配人をねぎらった。「判子はんこを、ちょいと、出しとくれ」
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
戸の外に出迎へしエリスが母に、馭丁をねぎらひ玉へと銀貨をわたして、余は手を取りて引くエリスに伴はれ、急ぎて室に入りぬ。
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
悲しい失意に傷ついた心を凝つといたはつて再び健やかな明るい心に癒すには大きな忍耐が必要です。
〔婦人手紙範例文〕 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
其れを知らぬ程の良人をつとでは無いが、持前もちまへ負嫌まけぎらひな気象と妻をいたはる心とから斯う確乎きつぱりした事を云ふのであると美奈子は思つて居る。
執達吏 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
勝頼、惣蔵を扇であおいでねぎらい、伝右衛門の軽傷を負ったのに自ら薬をつけてやった。
長篠合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
帝みずからとうくだりてねぎらいて曰く、先生労苦するなかれ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
おのづから浮世の物ならで、我はここにうれひを忘れ、かなしみを忘れ、くるしみを忘れ、つかれを忘れて、身はかの雲と軽く、心は水と淡く
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
啄木、永く都塵に埋もれて、旦暮たんぼ身世しんせい怱忙そうばうに追はれ、意ならずして故郷の風色にそむくうちに、身は塵臭に染み、吟心またつかれをおぼえぬ。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
これいかんとなれば縮を一たんになすまでに人のらうする事かぞへつくしがたし。
しからうおほくしてをさむる所がきはめて少いから可厭いやつてしまつたので、石橋いしばしわたし連印れんいん
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
さりとて打捨置かば清吉の乱暴も我が命令けて為せし歟のやう疑がはれて、何も知らぬ身に心地快からぬ濡衣被せられむ事の口惜しく、唯さへおもしろからぬ此頃余計な魔がさして下らぬ心づかひを
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
大病たいびやうでも自分で死ぬと覚悟かくごをし、医者いしや見放みはなした事も知つてり、御看病ごかんびやうは十分にとゞき、自分もう死ぬとあきらめがいてしまつても、とろ/\と病気びやうきづかれで寝附ねついた時に、ひよいとあひだめる事がります。
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「掻き撫でぞぎたまふ、うち撫でぞ労ぎたまふ」と、御自ら歌ひ給うた折の玉音を想像し奉つただけで心はときめく。
君臣相念 (新字旧仮名) / 亀井勝一郎(著)
天皇すめらがうづの御手みてもち、掻撫かきなでぞぎたまふ、うち撫でぞぎたまふ、かへり来む日あいまむ
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
前後ぜんご三人さんにん紹介者せうかいしやわづらはしたので、の第一が吉岡君よしをかくん
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
争ひ得ずしてつひに貴婦人の手をわづらはせし彼の心は、あふるるばかり感謝の情を起して、次いではこの優しさを桜の花のかをりあらんやうにも覚ゆるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
母親も、「れか一人大人を附けてやりましょう」と言ったが、大人は昼の仕事にかれているので、夜頼むわけにはゆかない。
村芝居 (新字新仮名) / 魯迅(著)
「それは不平組の楊奉と、白波帥はくはすいの山賊あがりの韓暹かんせんと、二人がしめし合わせて、大梁たいりょうへ落ちて行ったものです。——将軍の威望をそねむ鼠輩そはいの盲動。何ほどのことをしでかしましょうや。お心をついやすまでのことはありますまい」と、いった。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「人は長生きせんと思えば、うそをいうべからず。嘘は心をつかいて、少しの事にも心をついやせり。人は心気だに労せざれば、命ながき事、疑うべからず」
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
「むむ、半兵衛の看護みとりを頼んだぞ。くれぐれ軽はずみをさすな、気をつこうて帰城をいそぐなと、半兵衛にも伝えおけよ」
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
北兵中国の兵は、みな水に馴れず、いま大江に船を浮かべ、久しく土を踏まず、風浪雨荒ふうろううこうのたびごとに、気をわずらい身を疲らす。ために食すすまず、血環ちめぐることって病となる。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これ等を鼈四郎は、病友が一期の名残りと思えばこそ奔走しても望みを叶えさしてやるのだが、病友はこれ等をたのしみ終りまだ薬の気が切れずに上機嫌の続く場合に、鼈四郎を遊び相手にわずらわすのにはさすがの鼈四郎も、病友が憎くなった。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
かゝる難所なんじよを作りて他国の旅客りよかくわづらはしむる事もとめたる所為しわざにあらず。
思ひに思ふのみにて別れて後の事は知らず、如何いかなるわづらひをやさまでは積みけん、よはひよりは面瘁おもやつれして、あやしうも物々しき分別顔ふんべつかほに老いにけるよ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
木の間より洩り来る 月のかげ見れば、心ヅクしの 秋は来にけり
大御身オホミミヤミ時。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)