“いたわ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
41.6%
38.3%
13.9%
1.9%
1.4%
1.0%
可傷0.5%
0.5%
撫恤0.5%
板輪0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
只もう三年もの病人で、それは気もむしゃむしゃするのだろうからよくいたわって、互につらいところをしのいでゆくしかないでしょう
わたくしが、たゞ、こどものようにかぶりを竪に振ったり横に振ったりしさえすれば返事になる、相手はそつのないいたわり方でした。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
しゅうとの宗円はそう叱っても決していたわりなどしなかった。宥れば宥るほどかえって彼女の女ごころをとめどなく掻き乱すからであろう。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
娘がかないのを、優しく叱るらしく見えると、あいあいとうなずく風でね、老年としよりいたわる男の深切を、嬉しそうに、二三度見返りながら、娘はいそいそと桟敷へ帰る。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「今頃まで何所どこさいただ。馬は村の衆が連れて帰ったに。いたわしい事べおっびろげてはあ」
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
楽しみにしてお出でなさるとこだから、今度こんだ御免にお成りだとお聞きなすったらさぞマア落胆がっかりなさる事だろうが、年をッて御苦労なさるのを見ると真個ほんとにおいたわしいようだ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
姉さんだってもそうでしょう、弱い弱いで、可傷いたわられるうちに、今では最早真実ほんとに弱い人です。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
三吉は子供でも可傷いたわるように
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
おお、可哀相にさぞ吃驚びっくりしたろう、すんでのことで悪漢わるもの誘拐かどわかそうとした。もういわい、泣くな泣くな。とせな掻撫かいなでていたわれば、得三もほっと呼吸いき
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
『これ、武村兵曹たけむらへいそうこの少年せうねん撫恤いたわつてあげい。』
そして自分が熱鐵の板輪いたわに圍まれて、ぐん/\と締め上げられた苦しみの夢を見た。