いたわ)” の例文
けれども余りにいたわしい。ひとえに獣にとお思いなすって、玉のごときそのお身体からだを、砕いて切ってもてたいような御容子ごようすが、余りお可哀相かわいそうで見ておられん。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
楽しみにしてお出でなさるとこだから、今度こんだ御免にお成りだとお聞きなすったらさぞマア落胆がっかりなさる事だろうが、年をッて御苦労なさるのを見ると真個ほんとにおいたわしいようだ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)