“あや”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アヤ
語句割合
22.2%
16.8%
11.1%
8.7%
7.9%
6.3%
3.6%
2.6%
2.6%
2.3%
(他:134)15.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やま穿うがつたこのながれ天道様てんたうさまがおさづけの、をとこいざなあやしのみづ
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
おけらは、なぜ自分じぶんには、あのような自由じゆうべるうつくしいはねがないのかとあやしみました。
おけらになった話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
……唄の声がこの月に、白玉しらたまの露をつないで、おどろの草もあやを織って、目にあおく映ったと思え。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
此れこそ見よがしで、かつて将軍家より拝領の、黄なるあやに、雲形くもがた萌葱もえぎ織出おりだ
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
このあやしげな夢の風景には恐怖などと云うより、もっともっとどうにもならぬ郷愁がらいついてしまっているようなのだ。
鎮魂歌 (新字新仮名) / 原民喜(著)
その着物にこもあやしい鬼気といったようなものを取扱ったのであるが、これも多分に鏡花式の文学分子を含んでいた。
自分と詩との関係 (新字新仮名) / 高村光太郎(著)
しかるに内地は諸侯は勿論もちろん国民の議論は、外国と条約を結ぶことは国をあやうくする、そうしてこれに反抗する。
四方太は原稿料が出ない、といってこぼして居るがあの男はいくら原稿料を出しても今の倍以上働くかどうかあやしいものだ。
漱石氏と私 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
「平次、春日邦之助殿の潔白けつぱくはそれで相解つたが——本多右馬之丞殿をあやめた下手人は何者だ。それが解らぬうちは——」
尤も人をあやめたり、非道なことをするのはその手下、わけても飴屋に化けた甚助の惡業で、お歌はそれをどんなに嫌がつたことでせう。
張遼は黙々と都へ帰った。別れる折、関羽は言伝ことづてに、曹操の信義を謝し、また大切な部下をあやめたことを詫びた。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「長吉、手前てめえだろう、お春坊をあやめたのは。お慈悲を願ってやるから、お役人が見える前に、みんな申上げてしまいな」
八十パーセントというのはもちろん言葉のあやであろうが、農業を支配する最大の要素が天候であることには疑問の余地が無い。
農業物理学夜話 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
犬の毛皮には五色ごしきあやがあるので、これを宮中に養うこととし、瓠と盤とにちなんで盤瓠ばんこと名づけていた。
単衣ひとえの上に羽織はおった華美はでなおめし羽織はおり陰鬱いんうつへやの中にあやをこしらえた。
藍瓶 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
ただただ大地を両断して、海と陸とに分かち、白波と漁船とが景色をあやなし、円大な空が上をおおうてるばかりである。
紅黄録 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
いざ汝わが反復語くりかへしごとを聞きてあやしめ、この後この物ティトとともに、昔の罪を罰せんために進めり 九一—九三
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
美名よきなを時の中に失ふ貴きフィレンツェびとについてわが語るところのこともあやしと思はれざるならむ 八五—八七
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
闇黒に染む濡れた光りの中央に、あごから上を照されてあやしくくま取った佐平次の顔が、赤く小さく浮かび出た。
若い女の、水着の派手な色と、手足や顔の白さが、波紋を織る碧い水の綾のなかに、あやしいまでの美しさを見せた。
モルガンお雪 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
今日は大森君にあやまるためにわざわざ出かけた次第ではありませんけれども、ついでだからみんなのいる前で、謝罪しておくのです。
私の個人主義 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「でももしか、あなたに怒られるとそれっきりですからね。後でいくらあやまってもおっつかないなんて馬鹿はしたくありませんもの」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
飯「静かにしろ、ほかへ洩れてはよろしくないぞ、宮野邊源次郎めを突こうとして、あやまって平左衞門を突いたか」
こはがらないでねジエィン、あやまちだと分かつてますからね。ばつしたりはしません。」
「さうですか。わかりました。ござんす、それでは十日には屹度越すことにしますから」とあやまるやうに云つた。
子をつれて (旧字旧仮名) / 葛西善蔵(著)
「急に言ったのが悪けりゃあやまります。そうだったね、一年前位に言ったらお前達も幸福しあわせだったのに」
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
明け放した廊下からは、例の眼もあやな芝生が、一望遮るものもなくはるかのふもとまで、なだらかに開けています。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
眼もあやな芝生の向うには、したたらんばかりの緑の林が蓊鬱こんもりと縁どって、まるで西洋の絵でもながめているような景色でした。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
甘いへんのうの匂いと、ささやくような衣摺きぬずれの音を立てて、私の前後を擦れ違う幾人の女の群も、皆私を同類と認めてあやしまない。
秘密 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
高貴のなさることは概して下賤の常識では計りかねる非凡なところが多いのだから、その物々しい覆面も例の伝だと思ってさしてあやしむこともなかった。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
井上半十郎はそれ以上は聴いて居りませんでした。一脈の不思議な糸にあやつられるように、朝の二俣道を、北へ北へひた向きに駆けるのです。
江戸の火術 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
隣の卓では若い岡倉天心おかくらてんしんが外国人と相対さしむかいに肉刺フォークを動かしつつ巧みな英語をなめらかにあやつッていた。
そんな工合で、その辺から誰かがひょっこり出て来たからとて、それは少しも可怪あやしく思われるような事もないのであった。
田舎医師の子 (新字新仮名) / 相馬泰三(著)
「昔だと、仏門にる処だが、君は哲学をっとる人だから、それにも及ぶまい。しかし、蒼沼は可怪あやしいな。」
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
北支でも眼先の利いたブルジョアジーや財閥軍閥は、逸早くこの日満側の利潤にあやかるに相違ない。
世界の一環としての日本 (新字新仮名) / 戸坂潤(著)
歴史的伝統の道を外れたものとしての外道として、既成の権威にあやからぬものである限り権威なきものとして、そのような問題は見做され易いのが事実である。
イデオロギーの論理学 (新字新仮名) / 戸坂潤(著)
その代はりいつか持て来た応挙、あれは少しあやしいのだが、買ツといてやるサ、自他の為だ尽力すべしかハハハとおだてられて軽井は内かぶとを見透されじとやいよいよ真顔になり。
当世二人娘 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
そうしてモチヒがイヒの一種だという推測もややあやしいのである。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
ここにやまとあやあたへの祖、阿知あちの直、盜み出でて、御馬に乘せまつりて、やまとにいでまさしめき。
この時に大和のあやあたえの祖先のアチのあたえが、天皇をひそかに盜み出して、お馬にお乘せ申し上げて大和にお連れ申し上げました。
とうからあなたに打ち明けて謝罪あやまろう謝罪まろうと思っていたんですが、つい言いにくかったもんだから、それなりにしておいたのです」と途切れ途切れに云った。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
私は知らぬよ、こんな娘は! 驚きましたね、二の句も継げない。どうも当世の娘っ子は、油断も隙も出来ないの。叔父さんを前にちゃアンと据えて、恋人があるというのだから。とんだ姪さんを持ったものさ。私は謝罪あやまる、私は謝罪まる。……そうは云っても面白いの。
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そして其の着手着意の處を知り得て過たずに、實作實效の境に處し得てあやまらざらんことを人も我も欲するのである。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
琵琶湖の水、甲処に於て汲む者と乙処に於て汲む者とを弁じてあやまらざりしといふ。
(新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
〔いたず〕らにひとあやめる丈である。
点頭録 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
何だか無垢の人をあやめた気持で、どんな事情なのか、それは本当なのか問いただす余地もないほど、乞食の老人の言った安宅先生退職の話は、かすかながらも身に覚えがあるのが身の内から証拠を言い立てゝ、真実に思えて仕方ありません。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
あゝ、海蛇丸かいだまるさきには子ープルスかうにていと奇怪あやしき擧動ふるまひをなし、其時そのとき
平田篤胤は怪談を主唱する人なれども、その言に、「奇怪あやしきこととてひたすらにおそれ惑うも愚かなり。よくそのうけべきとうけべからざるとをわきまえて惑わざるをこそ、真に知の大なる人というべけれ」と示せり。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
代助の言葉には、普通の愛人あいじんの用ひる様なあま文彩あやふくんでゐなかつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
代助の言葉には、普通の愛人の用いる様な甘い文彩あやを含んでいなかった。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
おまけに彼等は、前を走って行く少年の姿を自分たちと一緒に起きて来た小姓の一人と思いあやまったらしかった。
劣等れっとうの雲雀は戻って来る時あやまってとなりの籠へ這入ったり甚しきは一丁も二丁も離れた所へ下りたりするが普通ふつうはちゃんと自分の籠をわきまえているけだし雲雀は垂直すいちょくに舞い上り空中の一箇所に留まっていて再び垂直に降下するのであるされば自然と元の籠へ戻るようになる雲切りとは云うけれども雲を切って横に飛ぶのではない雲を切るように見えるのは雲の方が雲雀をかすめて飛ぶためである。
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
大小の区別のつく、軽重けいちょうの等差を知る、好悪こうおの判然する、善悪の分界をみ込んだ、賢愚、真偽、正邪の批判をあやまらざる大丈夫が出来上がるのが目的である。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
世人は皆小野蘭山の『本草綱目啓蒙』の僻説にあやまられて麦門冬に二種ありとし、すなわち一を小葉麦門冬としてこれにリュウノヒゲ一名ジャノヒゲを配し一を大葉麦門冬としてこれに古名ヤマスゲ一名ヤブラン一名ムギメシバナ一名コウガイソウを配しているがこれは全く誤りで
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
かかとは意識のない後ずさりを見せ、なにかを守るような姿勢で両の手を交叉あやに、じぶんの胸を抱きすくめた。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
じゃあ今度は一つ、せめて、その眼の光彩あやだけでも語ってみるがいい。潤いのある眼、天鵞絨のような眼、砂糖のような眼、まだその上に一体どんな眼がないというのだ! きつい眼に、やさしい眼、うっとりした眼、それから誰かが言ったように婀娜っぽい眼、婀娜っぽくはないが、婀娜っぽい以上にすごい眼——こいつが男の胸に触れたら、まるで琴線に弓が触れたように高鳴るのだ。
奇異あやしく、怖しく思ふ程に、内野にありける十歳許なる死人を、此れ川原に持行ててよと責めければ、男終日長谷より歩みこうじて、力なく堪へ難くて、我れ長谷に三年月参りして、結願して帰る時しもかゝる目を見るこそ、に前世の果報の致す所なめれ。
放免考 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)