“おか”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:オカ
語句割合
可笑42.8%
11.4%
10.4%
7.3%
可怪6.6%
4.7%
3.4%
3.0%
2.7%
1.5%
怪訝0.8%
0.6%
可訝0.5%
0.4%
笑止0.3%
陸地0.3%
丘陵0.2%
阿母0.2%
御掛0.2%
ヶ岡0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
小丘0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
坑外0.1%
陸上0.1%
ヶ丘0.1%
御母0.1%
0.1%
不審0.1%
丘壟0.1%
丘嶽0.1%
0.1%
0.1%
可咲0.1%
0.1%
御懸0.1%
御描0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
陸影0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
天晴あっぱれ天下の物知り顔をしているようで今日から見れば可笑おかしいかもしれないが、彼のこの心懸けは決して悪いことではないのである。
西鶴と科学 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
水戸家のお下屋敷かどから堀川を左に曲がって、瓦町かわらまちからおかへ上がると小梅横町、お賄い方組屋敷までへは二町足らずの近さでした。
右門捕物帖:30 闇男 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
女にして見たいような美男子だが、底になんとなくりんとしたところがあっておかしがたいので、弥生より先に鉄斎老人が惚れてしまった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
おかがると、はるのころは、新緑しんりょく夢見ゆめみるようにけむった、たくさんの木立こだちは、いつのまにかきられて、わずかしかのこっていなかった。
風はささやく (新字新仮名) / 小川未明(著)
尠くとも、今迄は相当に微細な小径まで符合していた地図が、この沼に限ってそれを全然落している、というのも可怪おかしなことだった。
植物人間 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
「フーム、面白いな。番頭の言い草は『娘を口説くどけ』と言わぬばかりだ。おかぴきなんてものは、あまり人様に好かれる稼業かぎょうじゃないが」
銭形平次捕物控:282 密室 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
それゆゑ二階にかいあるひ三階さんがい居合ゐあはせたひとが、階下かいかとほることの危險きけんおかしてまで屋外おくがいさうとする不見識ふけんしき行動こうどう排斥はいせきすべきである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
無知な者は、罪をおかす時まではそんなに大それたことと思わないでいて、犯した時に至って初めて、その罪の大きかったのに仰天ぎょうてんする。
なるほど、どうも様子がおかしいと思ったら、盲人であったか、道理こそさいぜんから口だけ親切で、身体に気を許さないのがわかった。
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
是までに思い込まれし子を育てずにおかれべきかと、つい五歳いつつのお辰をつれて夫と共に須原すはらもどりけるが、因果は壺皿つぼざらふちのまわり
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
怪訝おかしいな、成程、親方のいう通り、あの天井からは、恰度引幕の陰になって見えない筈だ——)
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
何となく彼は、かツとして続けて憎態なことを二三言云つたが、何だか彼はおかしかつた。——可笑しくもあつた。
鏡地獄 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
両画伯を招待さ……「見苦しゅうはごわすが、料理店は余り露骨……」料理屋の余り露骨は可訝おかしいがね、腰掛同然の店だからさ、そこから、むすび針魚さよりわん
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
稜角の端まで這い出して、小さいおか——古代の動物の骨のようにゴロゴロ転がっている石の堆積——の上に立った、石はビッショリと濡れて、草鞋が辷る。
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
で、貴方あなたはよい時代じだいようとすましてもいられるでしょうが、いや、わたくしうことはいやしいかもれません、笑止おかしければおわらください。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
と山三郎はひらりっと陸地おかあがったが、此の土地は何国どこかは知らずし人家もなくば、少し浪がしずかになったから帰ろうという時に船がなければならんから、命の綱は此の船だ、大切だいじと心付いたから
かしの大樹に連なっている小径こみち——その向こうをだらだらと下った丘陵おかかげの一軒家、毎朝かれはそこから出てくるので、たけの低い要垣かなめがきを周囲に取りまわして、三間くらいと思われる家の構造つくり
少女病 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
「まあ、待つとくんなはれ、一度阿母おかはんに聞いてみますよつて。」
「あゝさうですか。いま調しらべてませう。鳥渡ちよつとつてください。そこへ御掛おかけなさい。」
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
大「拙者は根岸の日暮ひぐれヶ岡おかる、あの芋坂いもざかを下りた処に」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「この玄徳は、大漢の宗親そうしん。笑うべし、汝何者ぞ。みだりに天子の儀をおか曲者くせもの。きょうこそ大逆をらしめん」
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼等は夕日の照り映えた美しい景色を見下ろしている。円屋根のような形をした物淋しいおかの出っぱりを縫って行くと、とある木立の下に古い、くちはてたような一脚のベンチがあった。
カリンポンに着す その翌日雨をおかしてカリンポンに着きました。その間十五マイル、この都会はダージリンの東、一つの大なるたにへだててあります。ダージリンより余程土地が低い。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
こうして一方は断崖に臨み背後うしろ小丘おかと辻堂を背負った要害の地勢まで来た時には、既に背後うしろには十間を隔てて数百匹の狼が走って来ていた。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
轔々りんりん蕭々しょうしょう行人こうじん弓箭きゅうせん各腰にあり。爺嬢やじょう妻子走って相送り、塵埃じんあい見えず咸陽橋かんようきょう。衣をき足をり道をさえぎこくす。哭声ただちに上って雲霄うんしょうおかす。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
ふとのっそりの噂に火が飛べば、とろりとなりし眼を急に見張って、ぐにゃりとしていし肩をそばだて、冷とうなった飲みかけの酒をおかしく唇まげながら吸い干し
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
北野のおかという医者の家であったが、その前に夏になると美しく蓮の花の咲く大きな池があった。
故郷七十年 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
正当不正当の問題が、他の利害の問題のためにおかされて変って来そうに思われたのである。
ある日の経験 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
坑外おかへ出るだけでも、八百尺をケージで昇り、——それは三越の六倍半だ——それから一町の広い横坑を歩かねばならない。
土鼠と落盤 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
市三は、どれだけ、うら/\と太陽が照っている坑外おかで寝ころんだり、はねまわったりしたいと思ったかしれない。
土鼠と落盤 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
現在、陸上おかでは酒場のみやでも税関でも海員ふね奴等やつらが寄るとさわるとそのうわさばっかりで持切もちきってますぜ。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「……昨夜ゆんべ陸上おかで妙な話を聞いて来たんですがね。今度お雇いになったあの伊那いな一郎って小僧ですね。あの小僧は有名な難船小僧っていういわく附きの代物しろものだって、みんな、云ってますぜ」
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
わらべヶ丘おかとはそのお宿の砂丘にかつてたのまれて私が名付けたものであったが、こうしてちかぢかと来て眺めるのは今が初めてである。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
わらべヶ丘おかがどれほどの童ヶ丘になりきたったか。この機会にしたしく観て置きたいと私は思ったのである。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
「まだ食いなさらんか、早く御母おかあさんに煮て御貰い。唐津からつの山の芋は東京のとは違ってうまかあ」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
御母おかあさま、夕べ泥棒が這入はいったの?」と姉が尋ねる。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
朱実は、あなたと初めて伊吹の下で会った時のように、もうけがれのない野の花ではありません。人間におかされてただの女になってしまったつまらない女です。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……私は、私はもう名は……名はいえませんが或る者のために処女おとめではなくなりました。けれど、心はおかされてないつもりです。ちっともけがされない心を今も持っているんですの……
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『宵から、裏の浜辺に、不審おかしな人影が、張番みてえに立っているので、わざと、表へ廻しておきましただが』
夕顔の門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大人足跡という口碑は、すでに奈良朝期の『常陸風土記ひたちふどき大櫛岡おおくしおかの条にもある。丘壟おかの上に腰かけて大海のおおうむぎを採って食ったといい、足跡の長さ四十余歩、広さは二十余歩とある。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
山中には三水さんすいと唱える金性水きんせいすい竜毛水りゅうもうすい白毛水はくもうすいの清泉が湧き、五つの瀑布たきと八つの丘嶽おかとまた八つの渓谷たにとがあって、いずれも奇観だ。
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
けれど、まちは、かれらがおもったように、たいらかではなかった。くぼもあれば、おかかげとなっているようなところもあった。そして、おばあさんのうちは、やはり、低地ていちだったのです。
おばあさんとツェッペリン (新字新仮名) / 小川未明(著)
彼はその夫とともに在るをはんやう無きわづらひなれど、又そのひとりを守りてこの家におかるるをもへ難くいぶせきものに思へるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
そうして今はほぼ忘れた人も多かろうが、このツビまたはスビというのが、じつはよっぽど可咲おかしいれの名だったのである。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
吉田のおかから白河へ落ちてゆくそこの流れも、冬のうちは氷が張りつめていて、なにをするにも、手の切れるような冷たさであったが、もう水もぬるんで
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
貴所に此の最後の——縲絏るゐせつの耻辱を御懸おかけ申すのも、私の弱き心からで御座います
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
旦那だんなも画を御描おかきなさるか」余の絵の具箱はけてあった。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そんな高利を借りても急をすくはにやおかれんくらゐの困難が様々にある今の社会じや、高利貸を不正と謂ふなら、その不正の高利貸を作つた社会が不正なんじや。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
神はマリアをおかした如く
酒友列伝 (新字新仮名) / 山之口貘(著)
すこし、気がおかしいんじゃないんでしょうか
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
扨も/\、御ものがたりのおかしさハ、じつにはらおつかみたり。秋の日よりのたとへ、もつともおもしろし笑しと拝し申候。
その翌日になっても死体を埋葬するに忍びないので、瓦を積んでおかを作って、地下一、二尺のところに納めて置いた。
初夏の自然はことごと鬱陶うっとうしい緑で、おかは浮き出て、林は無限に暗く拡がっていた。
不思議な鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
陸影おかを離れてから間もない三日目の、二十三日の朝早く、無電技手が腰を抜かしたまま船橋ブリッジから転がり落ちて来た。
焦点を合せる (新字新仮名) / 夢野久作(著)