怪訝おか)” の例文
怪訝おかしいと思って、なおも接近しながらよくよく見ると、その袋の山みたようなものは皆、手足の生えた人間の死骸であった。
戦場 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
怪訝おかしいな、成程、親方のいう通り、あの天井からは、恰度引幕の陰になって見えない筈だ——)
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
須貝 怪訝おかしいじゃありませんか。どうして。
華々しき一族 (新字新仮名) / 森本薫(著)
どうも様子が怪訝おかしいようだから、近所の医者を呼んで来ててもらったら、睡り薬をみ過ぎているらしい。自殺かも知れないという話。
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
不思議だ——。実に怪訝おかしな話だ。あの葉子の空に浮いた幻といい又今の、指輪の発見といい全然見える筈もないものが、それも、まるで考える力も、記憶も、すっかり振り落して、無我夢中で空を
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
ところがその山羊髯老爺おやじがソレでいて、ドコか喰えない感じがする。凄いところが在りそうな気がして、たまらなく薄気味が悪いから怪訝おかしい。
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
怪訝おかしなことをいう)ときかえした。
鉄路 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
「その根本問題にちっとも触れないで調査した書類を、先生に引渡すのは、どう考えても怪訝おかしいじゃないですか」
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
どうも怪訝おかしいと言う近所界隈の取沙汰じゃ……吾々こっちもドウモそこいらが臭いような……事件ことの起りはその辺ではないかと言いたいような気持がするが
なれどソイツは話が怪訝おかしい。奇妙、不思議じゃ一体全体。そんな処へお金を出して。何がためなら入院させるか。なぞと御不審なされるお方は。われと身内に精神病者が。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
あるいはまだ自宅に電話が引いてないせいではないかとも思ったが、それにしても怪訝おかしいと言うので、よく姉たちと話合ったものであったが、この不思議は間もなく解けた。
少女地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「……そ……そ……それは怪訝おかしいじゃないですか先生……犯人の事をお留守にして、他の事ばかりに念を入れるなんて……仏作って魂入れずじゃないですか。ねえ先生……」
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
……どうも怪訝おかしい。とにかく一種変テコな神経を持った男に違いない……と思った。それでも頭髪あたまはナカナカ上手に刈れている。吾輩の薄い両鬢りょうびんに附けた丸味なぞ特に気に入った。
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「アハハハ。イヤ。そんな事はドウでもえ。お前達がよる位置がわかればえのじゃが……ところで、それにしても怪訝おかしいのう。二人とも犯人の通り筋に寝ておったのに、二人とも気付かなかったんか」
巡査辞職 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
これはどうした事であろう……怪訝おかしい。不思議だ。
一足お先に (新字新仮名) / 夢野久作(著)
それがです……それが怪訝おかしいのです。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)