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丘
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おか
ふりがな文庫
“
丘
(
おか
)” の例文
奇麗
(
きれい
)
なすきとおった風がやって
参
(
まい
)
りました。まず
向
(
む
)
こうのポプラをひるがえし、青の
燕麦
(
オート
)
に
波
(
なみ
)
をたてそれから
丘
(
おか
)
にのぼって来ました。
おきなぐさ
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
丘
(
おか
)
へ
上
(
あ
)
がると、
春
(
はる
)
のころは、
新緑
(
しんりょく
)
が
夢見
(
ゆめみ
)
るように
煙
(
けむ
)
った、たくさんの
木立
(
こだち
)
は、いつのまにかきられて、わずかしか
残
(
のこ
)
っていなかった。
風はささやく
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その男は、
丘
(
おか
)
をこえて、ブランブルハースト
駅
(
えき
)
から
歩
(
ある
)
いてきたとみえ、あつい
手袋
(
てぶくろ
)
をはめた手に、黒いちいさな
皮
(
かわ
)
かばんをさげていた。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
一週間ほどすると、
丘
(
おか
)
の上の
銅像
(
どうぞう
)
のあごに、あごひげがくっつけられました。ヘンデル先生は、あごひげをもっていたからでした。
丘の銅像
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
ヘルンが妻を連れ出す所はたいてい多くは寂しい
静閑
(
せいかん
)
の所であり、寺院の墓地や、
邸
(
やしき
)
の空庭や、小高い見晴らしの
丘
(
おか
)
などであった。
小泉八雲の家庭生活:室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
▼ もっと見る
動く道路を降りて
丘
(
おか
)
になっている一段高い公園みたいなところへあがった。もちろん地中のことだから頭上には
天井
(
てんじょう
)
がある。壁もある。
三十年後の東京
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そして
間
(
ま
)
もなく、
私
(
わたくし
)
の
住宅
(
すまい
)
として、
海
(
うみ
)
から二三
丁
(
ちょう
)
引込
(
ひっこ
)
んだ、
小高
(
こだか
)
い
丘
(
おか
)
に、
土塀
(
どべい
)
をめぐらした、ささやかな
隠宅
(
いんたく
)
を
建
(
た
)
ててくださいました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
その燕作は、いましも、三人の僧を早く早くと
急
(
せ
)
かしながら、
朱雀
(
すざく
)
の
馬場
(
ばば
)
を右にそって、しだいに道を
天
(
てん
)
ヶ
丘
(
おか
)
の方角へとって
駈
(
か
)
けている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
桑港
(
フリスコ
)
の日当りの好い
丘
(
おか
)
の下に、ぼく達を
迎
(
むか
)
えて
熱狂
(
ねっきょう
)
する
邦人
(
ほうじん
)
の一群があり、その中に、一人ぽつねんと、
佇
(
たたず
)
んでいる男がいた。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
谷から向うの
丘
(
おか
)
にかけて、麦と稲とが彼の為に一年両度緑になり黄になってくれる。雑木林が、若葉と、青葉と、秋葉と、三度の
栄
(
さかえ
)
を見せる。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
海の力が、ひじょうに強いために、低いところは、すっかり水の下にかくされてしまって、わずかに、
丘
(
おか
)
や山だけが、海の上につきでています。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
藻の間を
掬
(
すく
)
った叉手を、父が
丘
(
おか
)
へほおりあげると、私は網の中から小蝦を拾った。藻と
芥
(
あくた
)
に濡れたなかに、小さな灰色の蝦がピンピン跳ねている。
父の俤
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
それもそのはず、森やみどりの
丘
(
おか
)
のかわりに、地平線に見えるものといえば、ただ灰色の
煙突
(
えんとつ
)
ばかりなのですからね。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
私は、おりから夕日が墓石の表にあかあかと照っているその
丘
(
おか
)
の上に
彳
(
たたず
)
んで脚下にひろがる大大阪市の景観を
眺
(
なが
)
めた。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
……そんな
空
(
むな
)
しい努力の後、やっと私の頭に
浮
(
うか
)
んだのは、あのお
天狗
(
てんぐ
)
様のいる
丘
(
おか
)
のほとんど頂近くにある、あの
見棄
(
みす
)
てられた、古いヴィラであった。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
先刻
(
さつき
)
、運動会はつまらないから、
此所
(
こゝ
)
にゐると、
丘
(
おか
)
の上で答へた時に、美禰子は真面目な顔をして、
此上
(
このうへ
)
には何か面白いものがありますかと聞いた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
僕達は
小川
(
おがわ
)
の上のやや
丘
(
おか
)
になった
灌木
(
かんぼく
)
の下に足を投げ出して二人が知っている「古里」の唄をうたい始めた。
魚の序文
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
それで歩きながらわたしの目は
両側
(
りょうがわ
)
を
限
(
かぎ
)
っている
丘
(
おか
)
や、
豊饒
(
ほうじょう
)
な田畑よりも、よけい水の上に注がれていた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
小高い
丘
(
おか
)
の上。丘の向う側には広大な竹林が遠々と連なっているらしい。前面は
緩
(
ゆる
)
い
傾斜
(
けいしゃ
)
になっている。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
もう
赤楊
(
はんのき
)
の林さえぬければ、「日の村」へ着くはずでした。やがて二人は
丘
(
おか
)
を登って右に曲がろうとすると、そこにまた雄牛が一匹立っているのに出会いました。
真夏の夢
(新字新仮名)
/
アウグスト・ストリンドベリ
(著)
丘
(
おか
)
をこえて、林ぞいの道へ出た。草は白くかれて、落ち葉が風にふかれて追っかけっこをしている。
美しき元旦
(新字新仮名)
/
吉田甲子太郎
(著)
おかあさんのお里の村までは、
丘
(
おか
)
づたいに
入江
(
いりえ
)
をぐるりと
回
(
まわ
)
っていけば、二
里
(
り
)
あまりありましたが、舟でまっすぐに入江を横ぎっていけば、十四、五
丁
(
ちょう
)
しかありません。
あたまでっかち
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
向こうの
丘
(
おか
)
に現われた敵軍の大勢! 丸二つ引きの旗をへんぽんとひるがえして落日を後ろに
丘
(
おか
)
の
尖端
(
とっぱな
)
! ぬっくと立った馬上の
大将
(
たいしょう
)
はこれ歴史で見た
足利尊氏
(
あしかがたかうじ
)
である。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
朝から酒を飲みすごし、夕方の四時には、まったく体が動けなくなって、あの広い
弥生
(
やよい
)
ヶ
丘
(
おか
)
の運動場の上にたおれ、友にたすけられて寄宿寮に運びこまれたこともあった。
私の歩んだ道
(新字新仮名)
/
蜷川新
(著)
土饅頭
(
どまんじゅう
)
ぐらいな、なだらかな
丘
(
おか
)
が
起伏
(
きふく
)
して、その
先
(
さき
)
は広い
平
(
たい
)
らな野となり、
緑
(
みどり
)
の
毛氈
(
もうせん
)
をひろげたような中に、森や林が
黒
(
くろ
)
い
点
(
てん
)
を
落
(
おと
)
していて、日の光りに
輝
(
かがや
)
いてる
一筋
(
ひとすじ
)
の大河が
強い賢い王様の話
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
磐瀬
(
いわせ
)
の
杜
(
もり
)
は既にいった如く、竜田町の南方車瀬にある。ならしの
丘
(
おか
)
は諸説あって一定しないが、磐瀬の杜の東南にわたる岡だろうという説があるから、
一先
(
ひとま
)
ずそれに従って置く。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
私の
両親
(
ふたおや
)
の墓は、ついこの右の方の
丘
(
おか
)
の
松蔭
(
まつかげ
)
にあるんだが、そこへ
参詣
(
おまいり
)
をして、
墳墓
(
はか
)
の土に、
薫
(
かおり
)
の
良
(
い
)
い、
菫
(
すみれ
)
の花が咲いていたから、東京へ持って帰ろうと思って、
三本
(
みもと
)
ばかり
摘
(
つ
)
んで
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
豚
(
ぶた
)
は
丘
(
おか
)
のごとく、雞は
城楼
(
じょうろう
)
と見える。
名人伝
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
緑の
丘
(
おか
)
がその声で笑い出す。
笑いの歌
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ブレイク
(著)
「や、あれが
月待
(
つきまち
)
ヶ
丘
(
おか
)
です」
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
西
(
にし
)
の
丘
(
おか
)
なる陣
指
(
さ
)
すと
騎士と姫
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
丘
(
おか
)
があって
貧しき信徒
(新字新仮名)
/
八木重吉
(著)
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
は、うす
青
(
あお
)
く、この
世界
(
せかい
)
を
照
(
て
)
らしていました。なまあたたかな
水
(
みず
)
の
中
(
なか
)
に、
木立
(
こだち
)
も、
家
(
いえ
)
も、
丘
(
おか
)
も、みんな
浸
(
ひた
)
されたようであります。
月夜と眼鏡
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
牧場
(
ぼくじょう
)
のうしろはゆるい
丘
(
おか
)
になって、その黒い
平
(
たい
)
らな
頂上
(
ちょうじょう
)
は、北の
大熊星
(
おおくまぼし
)
の下に、ぼんやりふだんよりも
低
(
ひく
)
く、
連
(
つら
)
なって見えました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
とめどのないおやじの話をうちきるように馬車屋が言って、立ちあがると、うす
汚
(
ぎた
)
ないカーテンのすきまから、
丘
(
おか
)
のほうをのぞいてみた。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
丘
(
おか
)
の上に立って、うつくしい村をながめては、歌にうたい、
牧場
(
まきば
)
にいって、やさしいひつじのむれをながめては、
詩
(
し
)
をかくのがつねでした。
丘の銅像
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
呂宋兵衛
(
るそんべえ
)
は、くろい
蛮衣
(
ばんい
)
をふわりとかぶって立ちあがり、
早足
(
はやあし
)
の燕作をさきにたたせて、風のごとく、
天
(
てん
)
ヶ
丘
(
おか
)
から
駈
(
か
)
けだした。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(
視
(
み
)
よ、わが愛する者の姿みゆ。視よ、山をとび、
丘
(
おか
)
を
躍
(
おど
)
りこえ来る。わが愛する者は
獐
(
しか
)
のごとく、また小鹿のごとし)
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
わたしの下の方を雲が走っていましたが、長い
影
(
かげ
)
をオーディンの墓、トールの墓、フレイヤの墓と人々が呼んでいる小高い
丘
(
おか
)
の上に投げていきました。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
曇
(
くも
)
ったり
晴
(
は
)
れたりする
空
(
そら
)
、
上
(
のぼ
)
ったり下ったりする
丘
(
おか
)
、緑が茂って、小麦が
熟
(
う
)
れて、余の今の周囲も其時に
似
(
に
)
て居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
その翌日の昼さがり、大隅理学士は矢追村の東にある
雲雀
(
ひばり
)
が
丘
(
おか
)
という小高い
丘陵
(
きゅうりょう
)
をトコトコと登りつつあった。
地球盗難
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ガンのむれは、もういく
組
(
くみ
)
もいく組も飛んでいきました。みんな空を高く飛んでいきましたが、それでも、「さあ、
丘
(
おか
)
へいくんだ! さあ、丘へいくんだ!」
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
それから僕は飛鳥の村のほうへ行く道をとらずに、
甘橿
(
あまがし
)
の
丘
(
おか
)
の縁を縫いながら、川ぞいに歩いてゆきました。ここいらからはしばらく飛鳥川もたいへん好い。
大和路・信濃路
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
右手
(
めて
)
はのたりのたりといかにも
長閑
(
のどか
)
な
海原
(
うなばら
)
、
左手
(
ゆんで
)
はこんもりと
樹木
(
じゅもく
)
の
茂
(
しげ
)
った
丘
(
おか
)
つづき、どう
見
(
み
)
ても
三浦
(
みうら
)
の
南海岸
(
みなみかいがん
)
をもう
少
(
すこ
)
しきれいにしたような
景色
(
けしき
)
でございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
あとはどこを見まわしても、なだらかな
丘
(
おか
)
がほんのり、うす紫に見えているばかりであります。
あたまでっかち
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
島を越して
向側
(
むかふがは
)
の突き当りが
蓊鬱
(
こんもり
)
とどす
黒
(
ぐろ
)
く
光
(
ひか
)
つてゐる。女は
丘
(
おか
)
の
上
(
うへ
)
から其
暗
(
くら
)
い
木蔭
(
こかげ
)
を指した。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
そんなわけで、木らしい木を見ようとすると、
丘
(
おか
)
を
見捨
(
みす
)
てて谷間へと下りて行かねばならぬ。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
新しい
洋服
(
ようふく
)
にからだをつつんで、全校の
視線
(
しせん
)
をあびながら、はれの
壇上
(
だんじょう
)
に立った
光吉
(
こうきち
)
は、
窓
(
まど
)
のそとの冬がれの
丘
(
おか
)
から、母の
慈愛
(
じあい
)
のまなこが自分を見まもっていてくれることを
美しき元旦
(新字新仮名)
/
吉田甲子太郎
(著)
躑躅
(
つつじ
)
か
丘
(
おか
)
竜潭譚
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
良
(
りょう
)
ちゃんたちの
遠足
(
えんそく
)
は、そうした
丘
(
おか
)
があり、
林
(
はやし
)
があり、
流
(
なが
)
れがあり、
池
(
いけ
)
がある、そして
電車
(
でんしゃ
)
に
乗
(
の
)
っていける、
公園
(
こうえん
)
であったのです。
少年の日二景
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“丘”の解説
丘(おか)は、その周囲より高いが、山よりは低くかつ傾斜のゆるやかな地形である。丘には明らかに頂上がある。周囲より高くて平らな場所は高台(たかだい)と呼ぶ。
山と丘の区別は明確ではなく、この定義に当てはまる地形であっても「山」あるいは「山岳」と呼ばれる場合もある。
なお、多数の丘が連続して存在している所のことを丘陵(きゅうりょう)という。
(出典:Wikipedia)
丘
常用漢字
中学
部首:⼀
5画
“丘”を含む語句
小丘
丘陵
砂丘
沙丘
丘上
孔丘
丘壑
段丘
白丘
夕陽丘
丘山
丘外
円丘
丘下
閭丘胤
映丘
比丘尼
比丘
歌比丘尼
悪比丘
...