“蓊鬱”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おううつ70.8%
こんもり20.8%
おうゝつ4.2%
をううつ4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
月桂樹の老木が円天井を衝かんばかりに蓊鬱おううつとした葉を繁らせて、その翠緑の色を傍の青苔の蒸した浴池が水に浸しているのであった。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
眼もあやな芝生の向うには、したたらんばかりの緑の林が蓊鬱こんもりと縁どって、まるで西洋の絵でもながめているような景色でした。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
上流より弦形げんけいを爲して流れ來りたるが、その弦の中央に當りたらんとも覺しきあたり、最も深潭の趣に富み、溪樹の蓊鬱おうゝつとして其上に生ひ茂れる、また捨つべきものとしも覺えず。
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
ただ歳古る木々の梢を交へて蓊鬱をううつたるが、深藍いろの空を噛みて悠遠なる歴史を語らんとする——あに豊公以後三百年とのみ言はむや、連想ははやく吾人を駆つて南北朝に遡り、源平の代に遡りては
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)