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蓊鬱
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こんもり
ふりがな文庫
“
蓊鬱
(
こんもり
)” の例文
眼も
絢
(
あや
)
な芝生の向うには、
滴
(
したた
)
らんばかりの緑の林が
蓊鬱
(
こんもり
)
と縁どって、まるで西洋の絵でも
眺
(
なが
)
めているような景色でした。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
眼に見えるようなは
其而已
(
そればかり
)
でなく、其時ふッと気が付くと、森の殆ど
出端
(
ではずれ
)
の
蓊鬱
(
こんもり
)
と
生茂
(
はえしげ
)
った
山査子
(
さんざし
)
の中に、
居
(
お
)
るわい、敵が。大きな
食肥
(
くらいふとッ
)
た奴であった。
四日間
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
寺を圍んで
蓊鬱
(
こんもり
)
とした杉の木立の上には、姫神山が
金字塔
(
ピラミット
)
の樣に見える。午後の日射は青田の稻のそよぎを生々照して、有るか無きかの初夏の風が心地よく窓に入る。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
島を越して
向側
(
むかふがは
)
の突き当りが
蓊鬱
(
こんもり
)
とどす
黒
(
ぐろ
)
く
光
(
ひか
)
つてゐる。女は
丘
(
おか
)
の
上
(
うへ
)
から其
暗
(
くら
)
い
木蔭
(
こかげ
)
を指した。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
あの
蓊鬱
(
こんもり
)
した森のなかにある白壁の
幾棟
(
いくむね
)
かの
母屋
(
おもや
)
や土蔵も目に浮かんだりして、ああいった人たちはやはりああいった大家でなくては縁組もできないものなのかと、考えたりもした。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
叢道
(
くさむらみち
)
の両側は、見上げるような山ばかりで、
蓊鬱
(
こんもり
)
とした杉の木ばかり、
聳
(
そび
)
えています。二時間歩いていても、三時間歩いても、人っ子一人行き
逢
(
あ
)
わない
淋
(
さび
)
しさです。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
遥
(
はる
)
かの下方に見える
橅
(
ぶな
)
と
栃
(
とち
)
の大木の、一際
蓊鬱
(
こんもり
)
した木陰、そこで道は二つに分れています。一つは東水の尾へ下って行く道……すなわち、私が昨日登って来て、その下の方で一休みしたところです。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
蓊
部首:⾋
13画
鬱
常用漢字
中学
部首:⾿
29画
“蓊”で始まる語句
蓊欝
蓊乎
蓊
蓊匌
蓊然