“橅”の読み方と例文
読み方割合
ぶな100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
松林が尽き、雑木林が次第になくなって、ぶな類の旧い苔蒸した林となる。雨雲が覆い被さって来て、三合目あたりから遂に雨となった。
木曽御嶽の両面 (新字新仮名) / 吉江喬松(著)
隠れた場所は河見家の背後にある山で、そこから段登りにうしろへ高くなってい、杉やひのきや、さらに高くはかばぶななどの密林が茂っていた。
榎物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
人の足音も声も聞こえなかった。秋に熟したぶなの金銅色の葉の上に、雨のしずくが音をたてていた。石の間には、小さな流れの水が鳴っていた。