“出端”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
でばな48.9%
ではず22.2%
では8.9%
ではな4.4%
いではし2.2%
でっぱな2.2%
ではずれ2.2%
でば2.2%
はずれ2.2%
イデハシ2.2%
デハナ2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
生かすの殺すの、あなた、水の出端でばなぬしある間の出来事とは違いまして、生かすの殺すの、そんな野暮なものじゃございません……
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
市を出端ではずれると、人もまばらに、空地があって、その先は寺院らしい。醤油くさい煮売りや濁酒だみざけのにおいのうえに、夕月が仰がれた。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
谷へはさまって、出端ではを失った風が、この底をすくうようにして通り抜ける。黒いものは網の目をれた雑魚ざこのごとく四方にぱっと散って行く。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
今でこそ軽便鉄道を架ける話がないから偏鄙へんぴなどというが、四隣を山川で断ち切ってまとまりよろしく、しかも出端ではなの悪くない点から見れば、武家時代においてはまことに理想的の一荘園である。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
次に出羽は『いでは』で、出端いではしの義と解せられる。古は本州中部から東北の日本海方面地方を、漠然とこしの国と呼んだ。
津軽 (新字旧仮名) / 太宰治(著)
あの山の出端でっぱなに一組、いま毛氈もうせんを畳み掛けているのがありましょう——ああ一人酔っている。
眼に見えるようなは其而已そればかりでなく、其時ふッと気が付くと、森の殆ど出端ではずれ蓊鬱こんもり生茂はえしげった山査子さんざしの中に、るわい、敵が。大きな食肥くらいふとッた奴であった。
言はず語らず諭された上人様の彼御言葉の真実のところを味はへば、飽まで御慈悲の深いのが五臓六腑に浸み透つて未練な愚痴の出端でばも無い訳、争ふ二人を何方にも傷つかぬやうさばき玉ひ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
欄干の折れた西の縁の出端はずれから、袖形に地のなびく、向うの末の、雑樹ぞうき茂り、葎蔽むぐらおおい、ほとんど国を一重隔てた昔話の音せぬ滝のようなのを、猶予ためらわずくぐる時から、お誓が先に立った。
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
『出羽名義考』には出端イデハシの意味であろうとある、これは恐らく正しい推定であろう。
二、三の山名について (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
出端デハナに油かけられた資人トネリは、表情に隠さず心の中を表した此頃の人の、自由なハナし方で、まともに鼻をウゴメカして語つた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)