“山査子”の読み方と例文
読み方割合
さんざし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
日の出だ! 大きく盆のようなのが、黒々と見ゆる山査子さんざしの枝に縦横たてよこ断截たちきられて血潮のようにくれないに、今日も大方熱い事であろう。
百合ゆり山査子さんざしの匂いとだけ判って、あとは私の嗅覚きゅうかくに慣れない、何の花とも判らない強い薬性の匂いが入れ混って鬱然うつぜん刺戟しげきする。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
だが、何と猿廻しの素早いことか、こんもり盛り上っている山査子さんざしむらの、丘のように高い裾を巡って、もう彼方むこうへ走っていた。
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)