“さんざし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
山査子51.4%
山楂子17.1%
山櫨14.3%
山楂8.6%
山樝子2.9%
山櫨子2.9%
山𣠽2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
百合ゆり山査子さんざしの匂いとだけ判って、あとは私の嗅覚きゅうかくに慣れない、何の花とも判らない強い薬性の匂いが入れ混って鬱然うつぜん刺戟しげきする。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
彼が村から出ると、道の曲がり角に、山楂子さんざしまがきの根元の斜面に、盲目娘のすわってるのが見えた。
だがブラウンは首をふるばかりで唖者おしのように黙っていた。夕闇を通して山櫨さんざしの匂いと果樹園の匂いとが二人の鼻に迫った。で天気が風ばんで来た事をわかった。
山楂さんざしは芽ぐみ、丁子は古壁の上に宝石を飾り、薔薇色ばらいろの金魚草は石の割れ目に花を開き、草の間にはひな菊や金鳳花きんぽうげがかわいく咲きそめ、年内の白いちょうは始めて飛び出し
湯崗子氷は厚し我が買ひて赤き山樝子さんざしをかきかじりつつ
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
彼女には田舎の陽気な思い出話に味を添える独特な言葉使いがあった。「山𣠽さんざしの中に駒鳥こまどりの鳴く」