“はずれ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
24.4%
尽頭19.5%
14.6%
9.8%
葉摺7.3%
外端2.4%
盡処2.4%
出端2.4%
失敗2.4%
宿外2.4%
2.4%
尽処2.4%
極端2.4%
端頭2.4%
脱出2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その赤い提燈は十けんばかりたがいへだたりを置いて三つ、東南の村口から入って来て何処どこへか消えてしまうのである。最初それを見付みつけたのが村のはずれに住んでいた百姓じじいであった。
北の冬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
女中は二階へあがって行くと、足を浮かして尽頭はずれの部屋の前まで行って、立ち停ると、袂で顔を抑えてくすくす笑っていた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
ほとんど二年位してのことであった。元豊はわけがあって他村へいって夜になって帰っていた。円い明るい月が出ていた。村のはずれに王の家の亭園があった。
小翠 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
透かしてると、そのはずれに春光館と白く染めぬいた赤い旗が、目についたので、庸三はどうせ無駄だとは思ったが行って見た。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
山査子さんざしの枝が揺れて、ざわざわと葉摺はずれの音、それが宛然さながらひそめきたって物を云っているよう。
そこには見事に整った螺旋紋の中心から、右の外端はずれにかけて、三日月形の傷あとが、ハッキリ現われていた。
ついき鎌倉警察署で見せられた、犯人の指紋写真と同じ螺旋紋が、そして、その中心から右の外端はずれにかけて、三日月型の傷痕が、寸分違わず、ハッキリと現われていたのである。
果して彼は進み出て「アノ土地に住んで居ますか」余「ハイ彼の村の盡処はずれに昨年から住んで居ます」彼「名高い幽霊塔の中は御覧なさったでしょうね」
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
其処ですて、何しろ此の様な珍しい毒薬に、少しの間に二度も而も同じ家で出会わすとは余り不思議ですから充分手下に調べさせましたが、其の出所が分りました。此の村の盡処はずれ千艸屋ちぐさやと云って草花を
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
欄干の折れた西の縁の出端はずれから、袖形に地のなびく、向うの末の、雑樹ぞうき茂り、葎蔽むぐらおおい、ほとんど国を一重隔てた昔話の音せぬ滝のようなのを、猶予ためらわずくぐる時から、お誓が先に立った。
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それから、ゆっくり(寝くたばれ!)といってきかせるのです。突き刺された方は、そこで、急いで寝くたばってしまう。千に一度の失敗はずれはないのです。一九二〇年のことでした。
、やっと神奈川の宿外はずれで目付け、後を追っかけてここまでは来たが、こんな不思議な建物の中へ、引き込まれようとは思わなかった。いったいどういう建物なんだろう?
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
湯の谷もここは山の方へはずれの家で、奥庭が深いから、はたの騒しいのにもかかわらず、しんとした藪蔭やぶかげに、細い、青い光物が見えたので。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あゝもしひょっと、小歌はあのまゝ帰るか知らんと、こんなことが行手を遮って、吉川町の尽処はずれまでは車にも乗らなかった。
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
さていよいよ猟場に踏み込むと、猟場は全くみさき極端はずれに近い山で雑草荊棘けいきょくい茂った山の尾の谷である。僕は始終今井の叔父さんのそばを離れないことにした。
鹿狩り (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
その町の端頭はずれと思う、林道の入口の右側の角に当る……人はまぬらしい、壊屋こわれやの横羽目に、乾草ほしくさ粗朶そだうずたかい。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
智慧ちえの深そうな目の御色も時によると朦朧どんより潤みをって、疲れ沈んで、物を凝視みつめる力も無いという風に変ることが有ました。私は又た旦那様のあごから美しく白く並んだ御歯が脱出はずれるのを見かけました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)