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端
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はずれ
ふりがな文庫
“
端
(
はずれ
)” の例文
道の左には、半間ばかりの
熊笹
(
くまざさ
)
が
繁
(
しげ
)
っていて、その
端
(
はずれ
)
からは十丈に近い
断崖
(
だんがい
)
が、海へ急な角度を成していた。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
その赤い提燈は十
間
(
けん
)
ばかり
互
(
たがい
)
に
隔
(
へだたり
)
を置いて三つ、東南の村口から入って来て
何処
(
どこ
)
へか消えてしまうのである。最初それを
見付
(
みつけ
)
たのが村の
端
(
はずれ
)
に住んでいた百姓
家
(
や
)
の
爺
(
じじい
)
であった。
北の冬
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その足音が廊下の
端
(
はずれ
)
で止まったと思うと、松本が不思議そうな顔をして出て来た。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それより小道具衣裳方あり廊下の
端
(
はずれ
)
より離れて
団洲
(
だんしゅう
)
の室に至る。
小庭
(
こにわ
)
をひかへて
宛然
(
さながら
)
離家
(
はなれや
)
の
体
(
てい
)
をなせり。
表梯子
(
おもてはしご
)
を
上
(
のぼ
)
れば
猿蔵
(
さるぞう
)
染五郎
二人
(
ににん
)
の室あり家橘栄三郎これに隣してまた鏡台を並ぶ。
書かでもの記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
このとき
崑崙
(
こんろん
)
山上の大火はまだ
熄
(
や
)
んでいず、西の空の
端
(
はずれ
)
は真赤であった。
不周山
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
▼ もっと見る
その頃村の
端
(
はずれ
)
に小さな水車小屋を持っていましたが、毎日伊作の店に寄っては酒を飲んだり、
干魚
(
ひざかな
)
を
食
(
たべ
)
たりして、少しも勘定を払わないので、それが土台になって二人はいつでも喧嘩をしました。
三人の百姓
(新字新仮名)
/
秋田雨雀
(著)
殊
(
こと
)
に、美奈子達の占めた一室は、ホテルの建物の右の翼の
端
(
はずれ
)
にあった。開け放たれた窓には、早川の対岸明神岳明星岳の
翠微
(
すいび
)
が、手に取るごとく迫っていた。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
家の外には雪がちらちらと降って、前の小川の水は独り
寂寞
(
せきばく
)
を破って
囁
(
ささや
)
いて流れている他、村の
端
(
はずれ
)
に廻っている
水車
(
みずぐるま
)
の音が静かな林や、田の中を通って其処まで聞えて来る。
越後の冬
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その頃この町の
端
(
はずれ
)
に一つの教会堂があった。堂の
周囲
(
まわり
)
には紅い
蔦
(
つた
)
が絡み付いていた。夕日が淋しき町を照す時に、等しくこの教会堂の紅い蔦の葉に鮮かに射して匂うたのである。
点
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
廊下の
端
(
はずれ
)
に消えたとき、
扉
(
ドア
)
の所に立って見送っていた美奈子は、自分の部屋へ
駈
(
か
)
け込むと、床に崩れるように、
蹲
(
うずく
)
まって、安楽
椅子
(
いす
)
の
蒲団
(
クション
)
に顔を埋めたまゝ、
暫
(
しば
)
らくは顔を上げなかった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
松原の
端
(
はずれ
)
には、二条の鉄道線路が通っている。その線路には踏切番の
小舎
(
こや
)
がある。小舎には爺さんがいて、汽車が通るたびに白い旗を出す。……四辺の景色が目に見えるようだ。
悪魔
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
村の
端
(
はずれ
)
にあって、昔は、五百石取りの
武士
(
さむらい
)
が住んでいたところであったが、いろいろと仔細があって衰微してしまって、その家は、古びて遂にこの程、取り壊されたので、その屋敷跡には
過ぎた春の記憶
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
端
常用漢字
中学
部首:⽴
14画
“端”を含む語句
端折
尖端
尻端折
片端
出端
端緒
一端
端正
山端
縁端
端然
端艇
突端
上端
町端
切端
川端
下端
端々
発端
...