“山端”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
やまばな40.0%
やまばた13.3%
はな6.7%
やまっぱな6.7%
やまのは6.7%
やまは6.7%
やまはし6.7%
やまはず6.7%
やまはな6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「今日は山端やまばな平八茶屋へいはちぢゃや一日いちんち遊んだ方がよかった。今から登ったって中途半端はんぱになるばかりだ。元来がんらい頂上まで何里あるのかい」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
君子がものごころのつく頃には祖母と二人で、ある山端やまばたの掘っ立て小屋のような陋屋ろうおくに住んでいた。どこか遠い国から、そこに流れてきたものらしい。
抱茗荷の説 (新字新仮名) / 山本禾太郎(著)
山端はなに出た一人の獵師は、(彼の犬は平氣でさつさと先を急いでゐる)ちやうど彼のふり反つた鼻の先の、落葉松に話しかける。「やつたぜ、また」
(旧字旧仮名) / 三好達治(著)
もとの山端やまっぱな引退ひきさがり、さらば一服つかまつろう……つぎ置の茶の中には、松の落葉と朱葉もみじが一枚。……
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「こはきことを聞き得たり」ト、数度あまたたび喜び聞え、なほ四方山よもやまの物語に、時刻を移しけるほどに、日も山端やまのはかたぶきて、ねぐらに騒ぐ群烏むらがらすの、声かしましく聞えしかば。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
研究所の灯火とうかは、夜のふけるにつれ、不用な部屋の分は一つ一つ消されていき、だんだんさびしさを増すのであった。夜中になって、東の山端やまはしから、片われ月がぬっと顔を出した。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
西は、吉備きびから足守川の上流の山地へ、北は龍王山から岡山境の山々まで。そして、東は石井山、かわずはな山端やまはずれにわたって——実に南の一方をのぞくほかは、ふところ深い天然の湾形をなしている。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
京都の黄檗山万福寺と同様、大雄宝殿其他の建物を甃の廻廊で接続させてあるのだが、山端やまはなで平地の奥行きが不足な故か、構造の上でせせこましさがある。
長崎の一瞥 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)