長崎の一瞥ながさきのいちべつ
第一日 夜なかに不図目がさめた。雨の音がする。ぱらぱら寝台車の屋根を打つ音が耳に入った。私は、家に臥て静に夜の雨音を聴くようなすがすがしいいい心持がした。 午前六時何分かに、鳥栖で乗換る頃には霧雨であった。南風崎、大村、諫早、海岸に沿うて遽 …