“腰掛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こしかけ47.7%
こしか38.5%
ベンチ7.7%
バンク3.1%
べんち1.5%
ピュー1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一体いつたい東海道とうかいだう掛川かけがは宿しゆくからおなじ汽車きしやんだとおぼえてる、腰掛こしかけすみかうべれて、死灰しくわいごとひかへたから別段べつだんにもまらなかつた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
日曜日で、列車はわりにたて混んでいたが、それでも車室の一番隅っこに、まだ誰も腰掛こしかけていない上等のボックスがみつかった。
香水紳士 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
「どうか有の儘にお話して下さい。小母さんはどの位永くあの腰掛ベンチにいました。そしてその男とどんな談話はなしをなさいました?」
P丘の殺人事件 (新字新仮名) / 松本泰(著)
下を眺めると雛罌粟や撫子や野菊や矢車草の花の中には青い腰掛バンクが二つ置かれて居る。
巴里にて (旧字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
彼女かのぢよはその方面はうめんに、これといふほど判然はつきりしたとゝのつた何物なにものつてゐなかつたからである。二人ふたり兎角とかくして會堂くわいだう腰掛べんちにもらず、寺院じゐんもんくゞらずにぎた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ここで、信徒は皆床に坐ると見え、腰掛ピューは一脚もない。
長崎の一瞥 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)