“ベンチ”のいろいろな漢字の書き方と例文
ひらがな:べんち
語句割合
腰掛31.3%
椅子18.8%
長椅子18.8%
共同椅子12.5%
腰掛台6.3%
腰掛け6.3%
長腰掛6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼女はその方面に、これというほど判然はっきりしたり整った何物もっていなかったからである。二人はとかくして会堂の腰掛ベンチにもらず、寺院の門もくぐらずに過ぎた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その椅子ベンチが針の蓆か、何かでもあるやうに、幾度も腰を上げようとした。が、距離は、わづかに二間位しかない。草を踏む音でも聞えるかも知れない。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
ゆきれし一本ひともとにれのもと、なかばこはれし長椅子ベンチ
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
泉原は人気のない共同椅子ベンチ疲労つかれた体躯からだを休めて、呆然ぼんやり過去すぎさった日の出来事を思浮べた。
緑衣の女 (新字新仮名) / 松本泰(著)
彼女は、まだ自分の声の調子があてに出来なかったので、彼と並んでその腰掛台ベンチに腰を掛けた。彼は尻込みした。が彼女は自分の片手を彼の腕にかけた。
ムシュー・ドファルジュは、この食糧と、彼の持っているランプとを、靴造りの腰掛台ベンチ(その屋根裏部屋にはそれ以外に藁蒲団の寝台ベッドが一つあるだけだった)
そこにはもなければ、腰掛けベンチもなく、それに類したものがなにもなかったことを、私はよく覚えている。むろんその運動場は家の背後うしろにあったのだ。
もっとも無料で長腰掛ベンチもあるが、たいがいふさがっていてなかなかかけられないけれど、二片の椅子は数が多いから、すこし歩いて草臥くたびれたところで随所に腰がおろせる。