“いす”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イス
語句割合
椅子95.9%
倚子1.4%
0.7%
居据0.5%
卓子0.2%
居住0.2%
0.2%
0.2%
榻子0.2%
蚊母樹0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
脚を重ねて椅子いすに座す。ポケットより新聞と老眼鏡とを取り出し殊更ことさらに顔をしかめつつこれを読む。しきりにゲップす。やがてねむる。
饑餓陣営:一幕 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
大祝賀會だいしゆくがくわいもようすとのことその仕度したく帆木綿ほもめんや、ほばしらふるいのや、倚子いすや、テーブルをかつして、大騷おほさわぎの最中さいちう
屋根裏の一燈微に燃えて、エリスが劇場よりかへりて、いすに寄りて縫ものなどする側の机にて、余は新聞の原稿を書けり。
舞姫 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
居据いすわりのように出来ているのと同じく、クレッヴァスも毎年同一の地点に出来る現象を呈する。
高山の雪 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
ひとりで舞台をさらったヘンダスンは、得意時の人間の商人的馬鹿ていねいさで卓子いすへ近づいて、いきなりポケットから二通の書類を取り出して叩きつけた。
戦雲を駆る女怪 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
その秋にお種は利七のところへ輿入こしいれいたしましたが、陳はそれでも断念あきらめ兼ねたと見えまして、それから足掛三年唐人屋敷かんない居住いすんでおりましたが、さすがに気落らくたんして
車屋さんの安産論が身に沁みたのか、春日様の境内にあったやどり木神社というのが特に僕の注目を惹いた。いす、藤、椿、南天、陸英にわとこ、桜、楓の七種が一本になって覚束なく生えている。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
その時彼は十歳にもならぬ脾弱ひよわな子供で、竹榻たけいすの上に横たわり、祖母はいすそばに坐していろんな面白い昔話をしてくれた。祖母は彼女の祖母から聴いた話をした。陳氏の先祖は大金持だよ。
白光 (新字新仮名) / 魯迅(著)
ところでその金屏風の絵が、極彩色の狩野かのう何某なにがし在銘で、玄宗皇帝が同じ榻子いすに、楊貴妃ようきひともたれ合って、笛を吹いている処だから余程よっぽど可笑おかしい。
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
机は蚊母樹いすか何かで岩乗に出来てゐて、引出には真鍮しんちゆうの金物が打つてある。それに手を掛けて引くと、すうといた。
金貨 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)