“ちゃぶだい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
餉台37.7%
食卓19.7%
卓子台19.7%
卓袱台8.2%
食台3.3%
茶餉台3.3%
茶湯台1.6%
卓子1.6%
茶卓1.6%
茶卓台1.6%
茶台1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夕飯は、茶の間の涼しい広縁ひろえんで、大勢と一緒だった。漆塗うるしぬり餉台ちゃぶだいが馬鹿に広くて、鏡のように光っているのが、先ず次郎の眼についた。
次郎物語:01 第一部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
お杉はじぶんさかずきへ酒をぎながら、汚い食卓ちゃぶだい向前むこうがわにいる長吉の方を見た。眼の不自由な長吉は、空になった盃を前へ出していた。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
卓子台ちゃぶだいが出してある。賢一郎、役所から帰って和服に着替えたばかりと見え、くつろいで新聞を読んでいる。母のおたかが縫物をしている。午後七時に近く戸外はくらし、十月の初め。
父帰る (新字新仮名) / 菊池寛(著)
その脇に茶箪笥ちゃだんすや、たたんだ卓袱台ちゃぶだいや、炭取、柳行李やなぎごうり、駒箱をのせた将棋盤、そのほかこまごました道具類が、いかにもきれい好きな老人の独りぐらしらしく、きちんと整理されてあった。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
お光はうなずいて、着物着更えに次の間へ入った。雇い婆は二階へ上るし、小僧は食台ちゃぶだいを持って洗槽元ながしもとへ洗い物に行くし、後には為さん一人残ったが、お光が帯を解く音がサヤサヤと襖越ふすまごしに聞える。
深川女房 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
蚊いぶしを燃やして、小さい茶餉台ちゃぶだいにノートを拡げる。もう、あとを続けて書くより仕方がない。甘くてどうにも妙な小説だ。幻影だけでまとまりをつけようとするプロット。暑いせいかも知れない。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
清三も母親もふたたび茶湯台ちゃぶだいに向かった。親子はやはり黙って夕飯を食った。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
一風呂はいって、汗を流して来るころには、午飯ひるめしの支度がもうできていた。赤いたすきをかけたうちの娘が茶湯台ちゃぶだいを運んで来た。さかなはナマリブシの固い煮付けと胡瓜きゅうりもみと鶏卵にささげの汁とであった。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
母と卓子ちゃぶだいをはさんで新子は、しみじみと云い出した。
貞操問答 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
次の部屋へ座蒲団ざぶとんをうつして、茶卓ちゃぶだいを囲みながら、四人は笑い興じた。
魚紋 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あとでは馬春堂先生、久しぶりのすすき終えると、脚のあぶない茶卓台ちゃぶだいをすえ、炬燵こたつ行燈あんどんの配置よろしくあって
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
このごろの芝居ではお盆でだすが、一人だと茶台ちゃぶだい——真中に穴のあるものでも出した。その廻りには、りたて豆だの、赤に紫の葡萄ぶどうの絵を描いた行燈あんどんのぶどうもちだの、あめやが並んだ。