卓袱台ちゃぶだい)” の例文
と言って四角の封筒から一枚の写真を出して、卓袱台ちゃぶだいの上へ置いた。私はそれを取ってみた。ところが、私が想像していたところの妹さん——いやこの兄さんには少しも似ていない。
縁談 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
その脇に茶箪笥ちゃだんすや、たたんだ卓袱台ちゃぶだいや、炭取、柳行李やなぎごうり、駒箱をのせた将棋盤、そのほかこまごました道具類が、いかにもきれい好きな老人の独りぐらしらしく、きちんと整理されてあった。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
女と卓袱台ちゃぶだいで向いあって食事をすることはことわりつづけた。
愛のごとく (新字新仮名) / 山川方夫(著)
大きな平らな石が卓袱台ちゃぶだいである。母が給仕をして瀬のささやきを聞きながら、親子三人で、水入らずの朝飯を食べたのである。お重のなかには、昨日釣った鮎が煮びたしとなって入っていた。
母の匂い (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
こちらにも小さな火鉢ひばちがあり、そのわき茶箪笥ちゃだんすや、たたんだ卓袱台ちゃぶだいや、炭取、柳行李やなぎごうり駒箱こまばこをのせた将棋盤、そのほかこまごました道具類が、いかにもきれい好きな老人の独りぐらしらしく
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)