“茶箪笥”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ちゃだんす89.7%
ちやだんす10.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
火鉢のわきに小母さんが、園からずっと離れて茶箪笥ちゃだんすの前におぬいさんが座をしめた時には、園の前にはチャブ台は片づけられていた。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
長火鉢のまえに膝をそろえた喜左衛門は、思いついたように横の茶箪笥ちゃだんすから硯箱すずりばこをおろして、なにごとか心覚えにしたためだした。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
だが、心はおだやかに静まつてゆき、思ひのほかにペンははかどり、やがて空腹をおぼえて来た。茶箪笥ちやだんすからパンを出して来て、富岡は電熱でコオヒイをわかした。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
が、立ち退いた跡と云ふ条、取り残した茶箪笥ちやだんすや長火鉢は、その中にもはつきり見る事が出来た。新公は其処にたたずんだ儘、かすかに汗ばんでゐるらしい、お富の襟もとへ目を落した。
お富の貞操 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)