“柳行李”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
やなぎごうり70.2%
やなぎがうり10.6%
やなぎこうり6.4%
やなぎごり6.4%
やなぎかうり2.1%
やなぎこり2.1%
やなぎごおり2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その名千代香ちよかは女学生か看護婦の引越同様、わけもなく表の車屋を呼んで来て、柳行李やなぎごうりに風呂敷包、それに鏡台一つを人力じんりきに積ませ
夏すがた (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「お安い御用だ、親分、——その押入の中にある柳行李やなぎがうりと風呂敷があつしの世帶。はゞかり乍ら錦の小袖も、絹のふんどしもあるわけぢやねえ」
その本数を事務所で誤間化ごまかして一本三十銭から五十銭で売り出す……ズット以前の取引ですと手頃の柳行李やなぎこうりに一パイ詰めた奴を、どこかの横路次で
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
一間いっけん戸棚とだなを明けた。下には古いきずだらけの箪笥たんすがあって、上には支那鞄しなかばん柳行李やなぎごりが二つ三つっていた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
柳行李やなぎかうりから云はれた物を出して居るのは妹の乳母うばでした。私はまた何時いつにか蚊帳を出て、定七さだしちの火事装束をするそばに立つて居ました。
私の生ひ立ち (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
おもへども、れぬ不審ふしんうたがひのくもりて、たゞ一トさほ箪笥たんす引出ひきだしより、柳行李やなぎこりそこはかと調しらべて、もし其跡そのあとゆるかとぐるに、ちり一はしの置塲おきばかわらず
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そのついでに友人の来書一切いっさいおさめた柳行李やなぎごおりを取出しその中から彩牋堂主人の書柬しょかんえらみ分けて見た。雨の夜のひとりみこんな事でもするよりほかに用はない。
雨瀟瀟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)