“支那鞄”の読み方と例文
読み方割合
しなかばん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
びんやら、行李こうりやら、支那鞄しなかばんやらが足のも無い程に散らばっていて、塵埃ほこりの香がおびただしく鼻をく中に、芳子は眼を泣腫なきはらして荷物の整理を為ていた。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
一間いっけん戸棚とだなを明けた。下には古いきずだらけの箪笥たんすがあって、上には支那鞄しなかばん柳行李やなぎごりが二つ三つっていた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かくて妾は爆発物の原料たる薬品悉皆しっかいを磯山の手より受け取り、支那鞄しなかばんに入れて普通の手荷物の如くに装い、始終かたわらに置きて、ある時はこれを枕に、仮寝うたたねの夢をむさぼりたりしが
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)