“支那船”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
サンパン50.0%
ジャンク50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
緩るい船脚を続けながら支那船サンパンしのいで行き過ぎたが、ほんの五、六間行き過ぎた時一つの不思議が行われた。と云うのはそれは他でもない。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
すると、今度は、彼の足もとの、支那船サンパンの中から同じような青色の燈火あかりが浮かび出たが、空中で五、六回揺れた後でそのままフッと消え去った。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
波立たぬ水は朦朧もうろうとして霞んでいた。支那船ジャンクの真黒な帆が、建物の壁の間を、忍び寄る賊のようにじっくりと流れていった。お杉は時々耳もとで蝙蝠こうもりの羽音を感じた。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
甲谷は靴さきに浮ぶ支那船ジャンクの燈火を蹴りながら、饒舌しゃべった言葉の間をすり抜けようとして藻掻もがいた。すると、対岸に繁ったマストの林の中から、急に揺れ上った暴徒の一団が、工場の中へ流れ込んだ。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)