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柳行李
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やなぎごり
一間の
戸棚を明けた。下には古い
創だらけの
箪笥があって、上には
支那鞄と
柳行李が二つ三つ
載っていた。
新「遣るから待てよ、遣るというに、お賤、その
柳行李の中に少し
許り金が
這入ってるから出して作藏に遣んな、三藏の懐には
無えんだから
沢山は遣れねえ、十両ばかり遣ろう」
「
寒い
所爲なんでせう」と
答へて、すぐ
西側に
付いてゐる
一間の
戸棚を
明けた。
下には
古い
創だらけの
箪笥があつて、
上には
支那鞄と
柳行李が
二つ
三つ
載つてゐた。