“襖越”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふすまご69.2%
ふすまごし30.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
襖越ふすまごしに気をくばっていると隣室には乾雲を取り巻く同勢十五、六人集まっているようすで、何かこわだかに話し合って笑い興じている。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
叔父と母とがそんなことを言っているのを私は襖越ふすまごしで従兄妹いとこたちと陽気な話をしていながら耳にした。私のことを話しているので——。
地球儀 (新字新仮名) / 牧野信一(著)
私は無論襖越ふすまごしにそんな談話を交換する気はなかったのですが、Kの返答だけは即坐に得られる事と考えたのです。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
客は手持無沙汰てもちぶさた、お杉もすべを心得ず。とばかりありて、次の襖越ふすまごしに、勿体らしいすましたものいい。
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)