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襖越
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ふすまごし
ふりがな文庫
“
襖越
(
ふすまごし
)” の例文
私は無論
襖越
(
ふすまごし
)
にそんな談話を交換する気はなかったのですが、Kの返答だけは即坐に得られる事と考えたのです。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
客は
手持無沙汰
(
てもちぶさた
)
、お杉も
為
(
せ
)
ん
術
(
すべ
)
を心得ず。とばかりありて、次の
室
(
ま
)
の
襖越
(
ふすまごし
)
に、勿体らしい
澄
(
すま
)
したものいい。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
しかし下女が
襖越
(
ふすまごし
)
に手を突いて、風呂の
沸
(
わ
)
いた事を知らせに来た時、彼は急に思いついたように立ち上った。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
襖越
(
ふすまごし
)
に聞いている人にまで、何人で叩くのか、非常な
多人数
(
たにんず
)
で叩いている音の様に
聞
(
きこ
)
えると言います。
一寸怪
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
襖
(
ふすま
)
の蔭で小夜子が
洟
(
はな
)
をかんだ。つつましき音ではあるが、
一重
(
ひとえ
)
隔ててすぐ
向
(
むこう
)
にいる人のそれと受け取れる。
鴨居
(
かもい
)
に近く聞えたのは、
襖越
(
ふすまごし
)
に立っているらしい。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
その時、待合の女房が、
襖越
(
ふすまごし
)
に、長火鉢の
処
(
とこ
)
で、声を掛けた。
第二菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
昨日
(
きのう
)
の
午
(
ひる
)
襖越
(
ふすまごし
)
に聞いていると、
太郎冠者
(
たろうかじゃ
)
がどうのこうのと長い評議の末、そこんところでやるまいぞ、やるまいぞにしたら好いじゃねえかと云うような相談があった。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「おい、
佐伯
(
さへき
)
のうちは
中六番町
(
なかろくばんちやう
)
何番地
(
なんばんち
)
だつたかね」と
襖越
(
ふすまごし
)
に
細君
(
さいくん
)
に
聞
(
き
)
いた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
襖
漢検準1級
部首:⾐
18画
越
常用漢字
中学
部首:⾛
12画
“襖”で始まる語句
襖
襖子
襖際
襖絵
襖紙
襖側
襖障子
襖一重
襖地
襖画