“洟”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はな80.0%
ぱな11.7%
はなみず2.8%
みづばな2.1%
ばな2.1%
みづはな0.7%
はなみづ0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夜は夜で、君の雑誌だの本だのを読みふけって、大事な時間をつぶしたものだ。——今じゃそんなもの、はなも引っかけやしないがね。
鼻はこする、水っぱなはかむ。笊の中は掻きまわす。嗅いで見る。おくびはする。きたならしいの、いやらしいのといったらないのだ。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
手の甲ではなみずをふいている者、別れを惜しんで悲しげな者、それかと思うと、二三人の男達はこんな会話を交していた。
親方コブセ (新字新仮名) / 金史良(著)
博士はフロツクコオトの隠しから皺くちやな手帛はんかちを取出して、一寸みづばなをおしぬぐうた。そしていつもの几帳面な調子で
腰は二に崩れ、いたり痰を吐いたり、水ばなをすすり上げたり、よだれを流したり老醜とはこのことかむしろ興冷めてしまったが、何れにしても怪しい。
猿飛佐助 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
老人は京の底冷そこびえに、風邪でも引いたかして、泡のやうなみづはなすゝつてゐたが、ふと自分が今通りかゝつてゐるのは、婦人溜所の前だなと気がくと、ひよいとあしをとめてその方へ振向いた。
こんな風な言葉があたりから取り交はされた。久米氏の眼からは涙が流れた。鼻からははなみづが流れた。口からはよだれが流れた。美術批評家の最期は、こんなに惨めで、こんなに滑稽なものかと思はれた。